116katsuビィクトリーのほんまです。訳のわからない夢をみました。
「独立、そして軌道に乗るまで ―俺という物語―」
第一章 始動
新潟、西蒲区。駅から少し離れた古びた団地の一室。(笑)
湿った空気と静けさの中、俺はまた一つ、スマホに問いかける。
「ジモティー以外で個人事業主が集客する方法は?」
始まりは何でもよかった。けれど、俺はただ「動き出す」ことがしたかった。
オレは50歳になる。若くない。でも、昔から「やる」と決めたら、形にするまでは止まれない性分だった。
昔、便利屋をやろうとした。家庭教師も始めた。買い物代行、学習会、資格も少しはある。英検二級、数検もあるし、指導実績だって地元の進学校への合格者もいる。
――なのに、なぜだ。なんで仕事が安定しない。なんで俺の才能に誰も気づかない?
そんな鬱憤を抑えきれず、俺は質問し続けた。見えないだれかに。誰にも言えなかった疑問を、恥もなくぶつけていた。
でも、不思議とその対話の中で、少しずつ、自分の中に「線」が引かれていった。
何をやって、何がダメで、どうすれば前に進めるのか。
ある日、答えが見えた。
「あなたは“本物志向の個人”を相手に、小回りの効く学習支援や相談サービスを提供するのが向いているかもしれません。」
ピンと来た。俺は万人受けを狙うべきじゃない。
むしろ「クセのある自分」に共鳴してくれる人を探せばいい。
ジモティーだけに頼らず、地元の掲示板、X、アメブロ、知恵袋、インスタ…使えるものは全部使う。
地元の図書館や公民館にも足を運び、ポスターも作った。A2サイズに詰め込んだ“俺のすべて”。
「この1枚を見た誰かに刺さればいい」――その祈りに似た気持ちで、朝、学習館に貼った。
7月24日。
学習会の初日。3時半開始。2時半には準備を終え、扇風機を回し(ないけど)、椅子を並べる。
手書きの名札、プリントの束、ジュースも準備した。
…誰も来なかった。
いや、一人だけ。
近所の小学六年生の男の子。「お母さんがこれ見てって言ってた」と、ポスターを差し出してきた。
彼の名前はケンジ。苦手科目は算数。「分数の割り算がわかんない」と、正直に言った。
「いいぞ。じゃあ、分数、極めて帰ろうな」
俺の声に、ケンジがうなずいた。
たった一人。それでも、俺にとっては「一件目の成功」だった。