BSNご機嫌アワーinふるさと村
正直に言うと、今回このイベントに行くことに決めたのは、ラジオ番組そのものへの興味もあるが、「地元の空気を浴びたい」という気持ちが一番だった。コロナ禍が過ぎ、徐々に再び人が集まり出している新潟。そんな中で感じた“人の温度”が、この日ふるさと村に満ちていた。
公開放送は終始和やか。出演者たちのトークは軽妙で、現場に集まった人々も自然と笑顔になっていく。
番組中盤、観客とのやり取りが始まると、空気がグッとあたたかくなったのを感じた。
会場にいた全員が、なんとなく「地元の一員」という同じ輪の中にいるような、不思議な一体感だった。
会場を後にした私は、帰りにお土産エリアで越乃景虎の本醸造720mlを購入。飲むのは帰宅してからと決めていた。イベントの余韻が冷めぬうちに、静かな夜に酒の味を確かめてみたかったからだ。
八海山と迷った。実は昔、八海山を何度か飲んだことがある。あのキリッとした透明感、硬質な口当たりは今でも記憶に残っている。しかし今回は景虎。公開放送で感じた「新潟らしさ」にもっとも合う酒を選ぶとしたら、景虎しかないだろう──そんな直感だった。
家に帰り、静かにグラスに半合ほど注ぎ、ひと口。
越乃景虎の本醸造は、丸い。香りは控えめだが、口に含むとすっと米の甘さが広がって、すぐに穏やかに引いていく。「派手さ」はないが、食事と合わせて長く付き合える酒だと感じた。
八海山はしっかりした輪郭のある味。景虎はまろやかで優しい味。今回は飲み比べていないが、記憶にある八海山の“鋭さ”と、今夜の景虎の“丸み”は、ちょうど正反対のキャラクターのように思えた。
そして、それぞれに新潟の気候や人柄を映しているようにも感じた。
も記憶に残っている。しかし今回は景虎。公開放送で感じた「新潟らしさ」にもっとも合う酒を選ぶとしたら、景虎しかないだろう──そんな直感だった。