ボルベンとヘスパンダーの違い | 病棟薬剤師&DIやん

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医療従事者の方々向けに書いています。非医療従事者の方々はここに書いてある情報を鵜呑みにせず、必ずかかりつけ医・薬剤師等にご相談ください。

 

 

上の本に、ボルベンとヘスパンダーの違いが解説されていました。

 

当院でも両方出ますが、

どう使い分けているのかイマイチ不明。。

なので、とても勉強になりました。

 

適応の違い:

ボルベン:循環血液量の維持

ヘスパンダー:各科領域における出血多量の場合

体外循環における血液希釈液

 

(上の本 本文より)

ボルベンに、ヘスパンダーと同等かそれ以上の血漿増量効果が期待できるのなら、

“出血”しばりのあるヘスパンダーをやめて、ボルベンで代用してもよい

 

ボルベンは、体重あたり50mL使用が可能。
50kgなら、50×50=2,500mL/日も使用できる。

ヘスパンダーは、1日に1,000mL程度しか使えない

 

ヘスパンダーよりボルベンのほうが

血管内に残る時間が少し長くて、少し残存率もよい

 

平均分子量はボルベンが13万に対してヘスパンダーは7万

分子量が大きいほど、毛細血管から漏出しにくく

循環血液量を長時間維持できる


C2/C6比(ヒドロキシエチル基がC2位についているものとC6位についているものの比)
がボルベンが9に対してヘスパンダーは4

C2/C6比は高いほどα-アミラーゼによる分解が遅く、

粘度が高いため血管内にとどまりやすい