『みんなでお茶を』 第65話 | ヽ(´∇`)ノ日和♪

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名もない林の中に


そのお店はあった。


都会の喧騒から


少し離れた林の中。


マカロンをめぐる論争の午後。


消耗しきったシェルドン・クーパーと


リチャード・ヘンダーソンは


出来上がったマカロンを前に


へたり込んでいた。



正直な話、


レナード・ホフスタッターは


心底驚いていた。


シェルドンと共同作業ができる人間が


この世界に存在することが奇跡のようだった。


仮にあったとしても


この世の終わりに近い気がしていたのだ。



「ふたりとも疲れたろう?


ミスター・ヘンダーソンも紅茶はいかが?」



リチャードは


レナードをギロリと睨むと


ぶっきらぼうに言った。



「・・・リチャードでいい・・・


下の名前は


長ったらしくて嫌いなんだ・・・」



くたびれ果てて


毒気も抜けた所に


レナードが紅茶を振舞う。



プリンス・オブ・ウェールズ。


中国のキーマンやアッサムをベースに


クロスグリをアクセントに加えたブレンドだ。



シェルドンもリチャードも


その香りにハッとした。


ランを思わせる優雅な香り。


ストレートで淹れられた


その芳醇な香りにリチャードが驚いた。



「こいつは・・・!」



シェルドンがニヤリと笑った。



「別名、『紅茶のコニャック』だ。


貴様の店では味わえまい。」



9月の柔らかい陽射しの中、


その店では大量のマカロンと


芳しい紅茶の香りが


ほんのりと漂っていた。





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