名もない林の中に
そのお店はあった。
都会の喧騒から
少し離れた林の中。
星の瞬く8月の夜、
店先でアリス・ペンドルトンと
レナード・ホフスタッターは
もう何度目かわからない
くちづけを交わしていた。
「・・・明日は?」
レナードが
アリスに問いかける。
「バイトがあるの・・・
バーテンやってた子がこれなくなって
その代役・・・」
「さみしくなるな・・・」
「でも、週末は空いてるから・・・」
そう言いながら
名残惜しそうに身体を離す、アリス。
何度も手を振りながら
車に向かっていく。
彼女が走り去る姿を
じっと見守るレナード。
店に入ると大きな溜め息をつく。
「本当に・・・ 素敵なアリス・・・」
シェルドン・クーパーは
忙しそうに閉店作業をしながら
相槌を打つ。
「そりゃ良かった。」
「すごく可愛いんだ!
今日なんか僕のことを
ハニーポットって呼んでくれたんだよ!!」
「知ってる。
その場にいたからね。」
「彼女のことをもっと知りたい・・・
そうだ! 明日はふたりで
彼女の勤め先に行ってみないか!?」
シェルドンの動きがピタリと止まる。
「なんだって?」
「もっと彼女を知りたいんだ!
バーで働いている姿や
芝居のことも知りたい!!」
「僕らがバーに?
いいアイデアとは思えないな。」
「頼むよ、シェルドン!
いっしょに来てくれ!!
僕ひとりじゃ浮いちゃうよ・・・」
「ふたりの方が浮くと思うがね。
まあ、仕方ないだろう。
付き合うよ。」
「ありがとう、シェルドン!」
「礼を言いたければ
まず閉店作業を手伝うんだ。」
レナードは
慌てて作業に加わった。
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