名もない林の中に
そのお店はあった。
都会の喧騒から
少し離れた林の中。
8月の午後、
レナード・ホフスタッターは
いつものように夢を見ていた。
目の前には
ティー・テーブルと
レベッカ・チェンバースがいて
ダージリンの香りが
漂っている。
「また・・・ いつもの夢か・・・」
「正確には、少し違うわね」
レベッカが微笑んで言う。
「あなたはもう動き出した。
だから、私も変わるの」
レベッカは、
目を閉じてダージリンの香りを楽しんだ。
「・・・僕はどうしたらいい?」
「それはあなた次第ね。
あなたが恐れてるものはなに?」
「失うことだ・・・」
「それならば心配ないわ
あなたは二度と失わない。
あなたはもうひとりじゃないから・・・」
レベッカは
レナードの頬を優しく撫でて
立ち上がった。
「ごちそうさま。
またね、レナード」
「レベッカ!」
そう手を伸ばした瞬間、
レナードは目覚めた。
傍らで
アリスがずっと手を握っていてくれた。
アリスは
優しく微笑んで言った。
「おはよう、レナード」
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