名もない林の中に
そのお店はあった。
都会の喧騒から
少し離れた林の中。
徹夜明けの
アリス・ペンドルトンと
シェルドン・クーパーは
レナード・ホフスタッターの動きを
じっと観察していた。
「どんな様子?」
「クッキーを食べている。」
「それだけ!?」
「このままではらちが明かない!
ちょっと偵察に行ってくる!!」
シェルドンは、
厨房の戸を開けて
新聞を開いて読み始めた
レナードに向かっていく。
「おはよう、レナード。」
「やあ、
おはよう、シェルドン」
「・・・クッキーは美味しかったかい?」
「うん」
シェルドンは、
その反応にいささかの
不満を覚えた。
「アリスが一晩かかって焼き上げたものだぞ?
そのリアクションは不適切じゃないか?」
レナードは新聞をたたんで
シェルドンに向き直った。
「ごめん、ごめん!
とても美味しかったよ♪」
シェルドンは、
くるりとレナードに背を向けると
アリスの方に向かっていった。
「君はあの鈍感男のどこがいいんだ!?」
小声で苛立ちをぶつける、シェルドン。
「待って、今度はあたしが行く!」
アリスは、
勇気を出してレナードに
向かっていった。
「おはよう、アリス!
徹夜だったんだって?」
「レナード、その・・・
クッキーのことだけど・・・」
「美味しく焼けたね♪
誰にあげるんだい?」
「あ、あなたに・・・」
「僕に?
そりゃ嬉しいな♪
この間の誕生日のお返しかな?
気にしなくてもいいのに・・・」
「え?
あ、あの・・・」
そっとアリスの頭を
撫でるレナード。
「よく頑張ったね♪」
その時点で、アリスは
何も言えなくなってしまった。
厨房の戸の傍で
シェルドンが頭を抱えている。
「シェルドンもこっちに来いよ!
いまホットミルクを淹れるから、
みんなで食べよう♪」
こうして
複雑な想いを抱えたふたりと
能天気なひとりは美味しく
朝のクッキーを分かち合った。
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚