『みんなでお茶を』 第21話 | ヽ(´∇`)ノ日和♪

ヽ(´∇`)ノ日和♪

自作の詩や音楽についてのブログです♪


名もない林の中に


そのお店はあった。


都会の喧騒から


少し離れた林の中。


店の表にある


デッキチェアーでは


7月の夜空を


レナードとシェルドン、


そしてアリスがぼんやりと


眺めている。



「ここでは星が良く見えるのね♪」



アリスが見上げる夜空は、


満天の星々で、まるでお祭りのようだった。


都会のイルミネーションの中では


味わえない夜空だ。



「シェルドンも見ろよ、


ほら! 天の川だ」


レナードは、


星座の位置を把握するのに


一生懸命なシェルドンに指し示した。



「正確な星の場所がわからない・・・


古代人が適当な名前をつけるからだ。


せいぜい理解できるのは『ひしゃく星』までだな。」


星祭の夜。


シェルドンは、


アルタイルとベガの位置を


見つけようと提案し、三人で


夜空を眺めている。



「しかし、なんでまたその星なんだ?」


レナードが、


素朴な疑問を持つ。



「アジアの節句だよ。


『七夕』という風習でね。


一年に一度、ふたつの星が出会うんだ。」



「知ってる! ロマンチックよね♪」



屈託もなく、アリスが


喜んでいる。



シェルドンは、


とうとう、どの星かわからずに


厨房からケーキを持ってくる。


それに合わせて、


レナードは濃い目の珈琲を


淹れてきた。



「一息いれよう。」



「わ♪ 今日は何?」



「ミルフィーユだ。


フランス語で『千の葉っぱ』を意味する。


基本的にはパイ生地で


クリームをはさんだものだが、


このケーキは非常に食べ方が難しく・・・」



シェルドンの言葉を最後まで聞かずに


さっさと食べ始める、アリスとレナード。



「うーん、美味しい♪」


「このクリーム、濃厚だな」



ふたりはほっぺたに


クリームをくっつけながら


不器用に食べていく。


あきれ返るシェルドン。


「だから難しいと言ったろ?


ケーキを横に倒した方が


クリームがはみ出さず、


綺麗に食べれるのに。」



「気にしない、気にしない♪」



「シェルドン、珈琲はどうだ?」



「無論、いただこう。」



星祭の夜。


三人の頭上では


アルタイルとベガが


優しく輝いていた。





゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚