名もない林の中に、
そのお店はあった。
都会の喧騒から
少し離れた林の中。
お昼時、シェルドンと
レナードの怒鳴りあう声が
聞こえてくる。
「君はピザの注文ひとつ満足にできないのか!?」
シェルドンがレナードに怒鳴る。
レナードも負けずに言い返す。
「シェルドン! ペパロニもアンチョビも、
チーズもトマトソースも乗ってないのはピザじゃない!!
ただのパンだ!!!」
「僕は素材の味を楽しみたいんだ!!」
喧々諤々。
いつ終わるとも知れない論争の中、
アリス・ペンドルトンが店に入ってくる。
「ねえ? なんの騒ぎ?
お店の外まで聞こえるわよ?」
突然のお客にビックリして
固まってしまうふたり。
「レナード、紅茶はある?」
「あ… ああ、アールグレイがあるけど・・・」
「じゃあ、それちょうだい… シェルドン!」
「は、はい!!」
「今日はなに作ってるの?」
「あの・・・ チョコレート・ブラウニーだけど・・・」
「わ♪ 大好物!
焼きあがったら持ってきてね♪」
それだけ言うと
アリスは席に座って
週刊誌を読み始めた。
状況を理解できずに
呆然としているふたり。
そんなふたりにアリスは一喝する。
「ほら! さっさと動く!!」
慌てて仕事にかかる、
レナードとシェルドン。
ふたりは漠然と理解し始めた。
この店に、
常連客ができたのだ。
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