手が届くほど
そばにいた
そのしぶきが
指先を濡らすほど
寄せては
遠ざかる
大海に沈む
夕陽のように
君は
届かない
そう知りながらも
後ろ姿を見送って
僕は
まだ手を伸ばして
波の雫が
頬を伝う
さざ波の音が
全てかき消して
繰り返し
呼び覚ます
潮の香りと
君の面影を
いまは
この波に抱かれて
いまだけは
眠っていたい
藍に染まる
この波に抱かれて
いつまでも
寄せては返す
波のごと
哀れとぞ思う
夏の終わりに