「宝塚BOYS」teamSKY感想 | Mr.パラレルワールド

Mr.パラレルワールド

戦国鍋・舞台感想など。DD(みんな大好き)です。

宝塚BOYS愛知公演を22日に観劇してきました!

川原一馬くんがもっと見たいなーと友人と話に出て、急遽取ったチケットでした。

「宝塚」というから歌にダンスに華やかなステージなのかなぁと思っていたのですが、あらすじを読むと、どうやらノンフィクションもので且つ戦後まもなくあと1歩夢に届かなかった男たちの物語とあり、悲しい話なのかなと単純に覚悟して客席に座ったのですが。

内容として、とてもとても良かったです。
それこそもっと歌やダンスいっぱいのミュージカルかと思いきや、濃密なストレートプレイでした。

チームSKYは、主演に永田崇人くん、他にはお目当ての川原一馬くんに塩田康平くん等ハイステメンツやら溝口琢矢くんなど個人的に嬉しいキャストも。彼らのフレッシュな雰囲気が宝塚BOYSのがむしゃらで儚い姿にピッタリはまっていたように思います。

脚本も独特のテンポと間で飽きさせない。見てるこっちはかなりエネルギーを使ったけど^^;
声を発さずに演技する場面が意外と多く、役者さん方は身振り手振り、表情でなんとかこちらに伝えようとするのだけど、それを受け取ろうとする客側は結構大変。でも案外これが癖になってくるので面白かったけど。
お話自体も覚悟してたよりは悲劇っぽくなく、というかわかりやすいお涙頂戴話ではなくて好みでした。BOYSたちも一人ひとり個性的で、彼らの友情も見応えあり。山田(山口大地)と竹田(川原一馬)の関係が特に可愛かったなー。

戦後すぐ、夢も希望もたくさんあった若い青年らが、目標に向かってたくさん努力して努力して、それでも何度も裏切られ、結局は夢敗れる。
登場人物に愛着が湧いてくるからこそ、後半の展開の悔しさったらない。

最後の夢物語のような華やかなショーのあと、項垂れる主人公(永田崇人)の姿が鮮明に目に焼き付いている。最高の演出でした。辛い。グッときた。

あとね、最後の最後、稽古部屋を去るシーンが本当に良かった!ワイワイと部屋から去っていく仲間たちを見送り、主人公(永田崇人)もやっと出ていこうとするシーン。客席に背を向け、どこか名残惜しげに、でもどこか吹っ切れたように稽古部屋の電気をバシッと消すシーンがね、やられたー!と思いました。このシーンを見るために私ここに来たんだわ!と思ったくらい。一瞬のシーンだったけど、心にぽっかりと穴が空いて。寂しくて寂しくて。セットもよかったんですよー。
改めて観劇っていいなぁと思いました。心に焼き付くシーンがある舞台は、素敵。


みんなすんごくいい演技してました。全力で駆け抜けているんだなぁと。
そんでもってやっぱり、男子はいいなぁと思いましたよ。宝塚BOYS、現代にはたくさんいるのになぁと思いました(笑)

あ、一つ疑問。
たかとくんはピアノを本当に弾いていたのかな?

そんなこんなで、かなり余韻のふかーい作品でした。
もう1度見たいかと言われたら、このキャストでなら見たいかな。あの、電気を消すシーンを見るために。


追伸
努力しても報われないことって大いにあるじゃないですか。結果を求めるのは当たり前だけど、プロセスを大事にして行きたいと思いました。
それを本来華やかな場所である「舞台上」で見せられたので、グッとくるものがありました。