BLだよ注意してね
エミルクロニクルオンライン
の
自キャラ
シニョーレさん
と
友人のキャラである
ファーネスさん
のBでLな感じを書いてみました。
↓どーぞ
視線は真っ直ぐ、素早く弦を引いて狙いを定める。キリキリ…と鳴く弓、弦から手を離せばそれは寸分狂いなく獲物へと伸ばされた。
「ちっ。避けられたか・・・」
空を切るだけに留まった矢は別のモンスターへと直撃する。興味なさげに踵を返したシニョーレは、モンスター蠢く森の中に姿をくらませた。見られていないとはいえ、普段の猫被りはどこにもない。それほどまでに狙った獲物が大きいというところか…。
「次は射殺す」
穏やかと言われる口調は遥か銀河の果ての果てに置いてきたようで、ザクザクと歩を進めながらも絶えず罵声が浴びせられていた。
「あー!!シニョーレ見つけた!!」
「……ファーネス」
そんな時、ガサガサと草をかき分けてやってきたのがファーネスだった。見られていないことを祈りつつ、シニョーレはいつもの猫を被る。うっすらと浮かべた笑みも、柔らかな雰囲気も全部。
「どうしたんですか?珍しい所で会い―――っ!」
言葉の途中でニショーレが詰まったのは、おもむろに、それはもう大胆にギュッと尻尾を握られたからだった。マスクで表情は窺えないが、目の前の男はどこか怒っているような感じがする。理由なんてシニョーレが知るわけ―――・・・
「さっき、俺に向かって放ったよね」
「何の話です?」
「その左手に持ってる弓で、俺に向かって矢を射った、よね?」
「ですから、何の話ですかと言っているでしょう」
言っている意味が分からないとシニョーレは言ったが、ファーネスはそれで納得しない。だって見たのだから。自分に向けられた明確な殺意を感じ取らなければ、確実に矢に貫かれていた。矢が飛んできた方向を見たときに知った青をみつけて、ゾクリと肌が粟立つあの感覚。
「しらばっくれるならそれでいいけど、俺知ってるんだー」
「何を知って、・・何ですか。男にハグされても嬉しくないですよ」
「俺だってハグしたいわけじゃないよ!こっちの方が触りやすいだけ」
「――――――っあ!」
ビクンと勢い良くシニョーレの体が跳ねた事に気を良くしたファーネスはうって変わって上機嫌だ。知り合いのドミニオン――空獅堵――は尻尾が弱点だと言っていたが、どうやらシニョーレは羽根の付け根が弱点らしい。前に一度、「かっこいい!」と子供に羽根を触られていたのを見たことがあったが、、どうにも居心地悪そうにしていた。
「ココ、弱いんだ」
「っるさい・・・!!」
逃げたいのだろう。だが、力はファーネスの方が遥かに上だ。暴れるだけ暴れてもシニョーレの体力が消耗されていくだけで、一向に拘束は緩まない。―――それが、ひどくシニョーレをイラつかせた。
「ぁ、っ。はな・・せっ」
「・・・・アレ?そんな口調だっけ?」
「ぅるせー、ンだよっ!!!!!!」
「っと、うわわわ」
渾身の力を振り絞りファーネスの拘束から逃れたシニョーレは、距離を取って迷いなく弓を引いた。
「ふざけた真似しやがって・・・コロス」
「キャラ変わってない?」
「知るか」
とっとと死ね
パッと離されるかと思いきや、ファーネスの足払いによって地面に転がされたシニョーレ。立ち上がるよりも早くファーネスがシニョーレを捕らえた。・・・それもうつ伏せの状態で
「くっそ・・!!離せ、ょっ、ぅあ!」
「楽しいネーww」
「シね!!!!!!っぜ、って・ぇ、コロす」
羽根の付け根を撫でて引っ掻いて、抵抗出来ないシニョーレが地面に爪を立てるのを愉快そうに見ていたファーネスの事を心底殺したくて仕方なくて、だからと言って圧倒的に不利な体勢からじゃ抵抗もままならない。
「はっ・・・ン、く」
ふんふんと鼻歌まじりのファーネスが嫌いだ。「コポォwww」だかなんだかたまに何を言っているのか分からない言語を使って喋ってくるし、こうやって弱点を見つけて突いてくるあたりも気に食わない。
気に食わない
何がどう転んでも気に食わないのだ
「ぶっ・・コロすっ!ぃ、あっ・」
抵抗が出来ない自分自身も、子供に触れられた時とは別の感覚を与えてくる身体も、
触れられて嫌だと思わない感情も
「コロす・・・っ、コロしてやるくそが!!!」
「この状況でよくそんな事言えるねwwwwwwwやべーわwwwめっちゃwwwテンションwwwあがってwwきたwwwwww」
「くっ・・そが」
ファーネスにそんな気がないのは承知しているが、シニョーレだけがファーネスに特別な感情を抱いている事がシニョーレにとって何よりもムカつく問題だった。
こんな感情を抱くくらいなら、その感情の根源であるファーネスの存在を消してしまえばいいのだと気付いて行動に移した結果がコレである。
「シね」
「ウッヒョwwwwwwテラ冷静wwww」
「つーか・・、引っ張んな!!!!!っい、てぇ!!!!」
これって本当に生えてるんだと感慨深そうに触るファーネスをいつか絶対に消してやるとシニョーレは地面を引っ掻いた。
しかし、もしもファーネスがシニョーレ以外の誰かに消されたら、ファーネスを消した相手を消して倒れたファーネスの頭に矢を放って嘲笑ってやるのだとシニョーレは状況打破も出来ないまま悔しそうに計画を立てたのだった。
(・◇・)
この話の後に、ファーネスとシニョーレは突然会えなくなってしまうです。