土、日と長野松本へ行った。台風も去り、梅雨の合間の好い日和だった。美ヶ原高原の方を見上げれば、夏のような真っ白い雲が、青空をバックにもくもくと上がっていた。本当に空気が澄んでるなあと思った。農産物直売所でトマト、オクラ、大豆、金時豆などを買う。久し振りに市内にある浅間温泉に泊まる。昔程は賑やかではないが、温泉も良質で、温泉街の雰囲気はまだ残っている。まわりの山や桂の木々の緑が美しかった。
宿の食事はどれも旨かったが、やはり、野菜類が一番、味わい深いなーと思った。高原野菜だから、レタス、キュウリ、ミズナ、新玉ねぎ、トマトなど、しゃきしゃきとして、新鮮な歯触りだった。
翌日、まつもと市民芸術館でバレエ発表会を初めて見た。四階バルコニー席まである大きな建物(1800席)で、ここでは、オーケストラや歌舞伎などの公演も時々催されるようだ。そこの三分の二位の席に観客がいた。バレエを学ぶ大人たちから子どもまでの五十人位の生徒たちと、十人近くのゲスト出演のプロたちが一緒にバレエを演じた。第二部の全2幕の「くるみ割り人形」の舞台は、見ものだった。おちびさんから大人までが、可愛らしく、また楽しく、優雅にバレエを披露した。衣装、舞台装置、照明、音響などの効果もあって、とっぷり舞踊にはまっていた。言葉が無い分、身ぶり、手ぶりの身体表現が面白かった。高度な瞬発力やスピード、柔軟性や持久力のある身体能力が要求されるものだなーと感心しながら、3時間の公演に見入っていた。
松本市は、芸術などにも関わりの深いところがあるようだ。サイトウ記念フェスティバルでは、小沢征爾・指揮によるクラシック音楽が演奏されたりする。また、市内には市立美術館を初めとするさまざまな美術館などがある。毎年行われる、市内の児童・生徒たちによるブラスバンドや鼓笛隊などのパレードも随分賑やかだし、最近では、<まつもと街なか大道芸>も盛大に開催されている。
ネットだITだ・・とバーチャルだったり、便利になり過ぎたような時代、山や川、谷や野原、虫やカエルや魚や小鳥、青空や雲や雨、花火や縁日や祭り、プールや海水浴やハイキング、絵描きや音楽や踊りや曲芸、額に汗をいっぱいかき、ハーハー息を切らし、目を輝かして、走り回って、ころんで、起き上がって、夢を追っかけて、笑って、泣いて、疲れて、でーんと寝転んで、天井の節穴なんかを見ながら、そのまま寝入って・・・。そんな自然いっぱいに、子どもたちも、大人たちも生きて行けたらいい。それは素晴らしい。お金がなくったって、みんな、昔は、身近でそんな風に生きてたのに・・。一度きりの人生を、生き生きと、<生きている>ということ。
墨絵のように、霧に覆われた早朝のアルプスの山々を見ながら、そんな、とりとめのないことを考えながら東京へと車で向かった。