思考や経験などの蓄積が多くなればなるほど、

組合わせのバリエーションが増し、新たな創造に繋がる。

しかし、本好きの人や映画好きの人などのように疑似体験を積んだとしても、

創造性とは別次元なのである。問題意識と言われる意欲が欠かせないのだ。

樋口正一郎 「記憶と風化」 キャンバス 100号790x1090mm アクリル絵具

 

樋口正一郎 「記憶と風化」 キャンバス 100号790x1090mm アクリル絵具

 

樋口正一郎 「記憶と風化」 キャンバス 100号790x1090mm アクリル絵具

 

        鶏が先か卵が先か目的意識がなくては体験の蓄積も役立たない。

 

        また一方で、どんな衝撃的な記憶すらどんどん新しい記憶に塗りつぶされてしまう。

容量が決まっているのであろうか。

あるいは、人それぞれの興味や必要度によってランク付けがそうしているのか。

それも加齢によるボケは脳細胞の新陳代謝が機能しなくなったためか。

体力の衰えが頭の方の活動も劣化するのは当然としても、

そういった事態とともに意欲の劣化も連動するから、堪らない。

 

         男というのは性機能が衰えと、

あらゆる生きることや創造するする意欲と連動して無気力になっていくようだ。

物事の好きや嫌い、感動する、ヘイトするなど、感性が磨滅するためか。

自分は一体何、生きる目的や意欲などどうでもよくなり、

風船のようにあっちへ行ったり、風で流される漂流物として

実態の無い、人間としてのプライドを喪失した存在として、

そしてそのことがやっと、人間から解放と自由を獲得できることでもある。