さて、都知事選が終わった。大雨やコロナブームで投票率が下がると思ったが、我輩の予想を大きく上回り、55.0%という大都会にしては高めの数値に終わった。ここ数年は国政選挙の方が投票率が低かったり、参院選と衆院選が同レベルだったりという異常事態なのだが、地方選挙を見ていると比較的うまく回っているというか、政権交替も普通に起こっているので、国政選挙が低調な理由は、まあ一部の木を見て森を見ずのアベガーさんたちの一部が不貞寝してボイコットを決め込んでいるか、ゆとり世代の「毒」が中高年層にも回ってるかどちらかなのだろう。今回は投票率を押し下げる要素があまりに多かったとはいえ、小池人気はあらためて東京都下限定で絶大であることを示した。3661371票は日本の政治史上もっとも偉大な記録の一つとして数えられよう。たとえ鳩山民主党の310議席のように数ヵ月でもろくも倒壊する砂上の楼閣のようなものであってもだ。
対抗馬は総じてパッとしなかった。宇都宮健児844151、山本太郎657277、小野泰輔612530、高田誠178784、立花隆志43912票。まあ自公票を割るだけの有望な候補がほとんどいなかったのであるが、立憲、維新、共産という国政でも三大野党とでも言うべき政党がそれぞれ複雑な事情を抱えており、「攻め」の選挙をできなかったのも大きい。そんな中孤軍奮闘しているという「空気」を利用した山本とれいわ新撰組は、やはり一定の評価はすべきではないだろうか。左翼野党共闘を完全にぶち壊し、維新の票田も少なからず奪ってしまった山本は今後の政界では総スカンだろうが、かつての過激派・青年将校のようなもので、サヨクが急激に落ち目になったこれからの数年間は、自爆テロ的な攻撃を繰り返してくる厄介な存在になってくると思われる。元々部落解放同盟・中核派という厄介な集団というのはちょっとこの界隈の歴史を調べれば分かりますが、小野がまかり間違って2位とかじゃなくて宇都宮2位で良かったのかもね。変に良い成績を出しすぎるとアブナイ連中にタカられるのが目に見えてます。小池は「彼ら(松野・馬淵一派)」とズブズブな存在なのはおいといて、今んところはスキャンダルも表面化しておらず無難な行政運営が出来ているといえるのではないだろうか。
明日もやるべき事が多すぎるので早く寝ることとするが、維新・小野泰輔氏について一言。まったく無名な人物だったとはいえ、最後の最後で供託金没収に終わったのは何とも痛恨過ぎる!!開票が最後まで滞った足立区で大惨敗したので「足立ショック」とでも呼びたいが、昨年の区議選でも直前に丸山穂高が暴言を吐いて一議席が水泡と化すなど維新にとって鬼門の地域であり、あの事件さえなければ10%はギリギリ通過していたかもしれないし、直前の熊本の水害ももしかすると小野氏にとっては不利に働いたかもしれない。一言でいえば普通の人、という感じなので、もうちょっとポスターに遊びを入れるとか尖った事をすれば、ネットメディアからふわっとした流れが生まれて80万票くらいは取ったかもしれない。今回は余りにもコロナで報道機会が少なかった上討論会なども少なかったため、かえって桜井(高田)や後藤などのネタ候補の方が有利、という現象を生んでしまった。維新は2014年の田母神610865票をわずかに上回り、崩壊寸前だった数年前の惨状からようやく普通の状態へと戻ったといえるが、都議補選では全敗し、都議会の議席が東京維新結成以来初のゼロ議席確定という、悲しい状況が生まれてしまった…そもそも立憲・共産という政党連合にほぼ単独で挑んでいるのだから、大阪以外の県議会で議席を取るのがいかに難しいか分かろうものだが、今回「神風」が吹かなかったのは、維新内の派閥抗争やなんやで党内の分断が進んでるというのも大きいのかもね。松井一郎が全然応援に来なかったのも、3年前の都議選とは違いまったく異例の事です。大臣経験者で国会議員を束ねる片山さんの方が党内順位が上なのは薄々感づいていましたが、前原応援の件といい、余りにも選挙戦術が不発ではないか?小池と本当は対立したくないのに自民票は得たいという中途半端な姿勢も、今後に禍根を残しました。
つぎは解散が来るので都知事選などすぐに忘れ去られる、なら良いのですが。我輩のもっとも極端な予想だと7月中に内閣改造・自民党人事を行った後、8月初頭に解散、9月13日投開票というものです。サヨクが内ゲバで絶賛混乱中に不意打ち、という2017年パターンですが、今年中の総選挙は八割以上の確率で行われると思うので、いずれにせよ維新の全国復帰も時間の問題だということだ。
サヨクは結局のところ2010年参院選以来ずっと負け続けている。局地戦では勝つこともあるものの徐々に隅っこに追い詰められて縮小傾向にあるのは明らかである。今回の都知事選は彼らにとってのサイパン陥落ではないか?鳥越134万票が84万票まで減ったのは、明らかにサヨクの時代の終焉を示しています。残念ながら蓮舫や長妻など誰が出ても大差ない票数だったと思います。それほど小池が強いということもあるが。