ちょっとネタバレかな。
まだ知りたくない人は、今回のブログは読まないでください(^^)。
ずっとスクロールすると、下に文章が続きます。
面白かったので、夕方から読み始めて夜半に読み終わりました。
わりと単純明快な文章で読みやすく、登場人物がとらえやすくわかりやすいお話です。
「ぼぎわん」というものの概念も、わりと、とらえやすい。
とても面白くて考えさせられるお話でしたが、私は全く怖くなくて実は拍子抜けでした。
「ぼぎわん」は強力だけど、怖くはありません。
…いや、怖いかなぁ。
冒頭のシーンですでに長女はドロップアウト(笑)。
この妖怪の最も怖いところは、実際に襲ってくるところでもその容姿でもありません。
身内や信用できる人を装って近づいてくるところです。
私はこれが最も怖い。
一章のクライマックスはまさにそうですね。
昔見た夢の中で、何が怖かったって、自分自身に追っかけられる夢が最怖でしたね(笑)。
撮影中の「来る」の秀樹役は妻夫木君。
若いころは爽やかな役も多かった彼ですが、裏表ある役、また弱さをエグイ感じで演じられる気がして、この映画ではまり役な気がします。
彼と、黒木華演じる香奈との齟齬や軋みも恐ろしい。
どんな夫婦もこれ、あるんじゃないか。
勿論うちも(;´Д`)…。
黒木華は、かわいらしい演技も印象に残る人と思いますが、私が彼女の演技をはじめて見たのは朝ドラ「純と愛」で、ここでは、恐ろしく表裏のある、闇すら感じさせるフロント係(笑)。まさに香奈にうってつけ。
彼女の演技の良さは、可憐な容姿の裏に潜む暗黒性だと思うのですよね。
でも、心底、可愛らしくもひたむきにもなれる。稀有な役者さんです。
琴子役は松たか子ですよね。
この、凄いことやってのけるのに、事務的な役、似合う気がしますね~(^^)。
セリフを松たか子がしゃべってるの想像してみました。
ただ冷たい事務的な女性にならなくて、すごくいいと思います。
ニヒルな岡田くんと二人で妖怪に立ち向かう。
ニヒルな岡田くん(笑)。
野崎はニヒルな奴だと思うのです。
シニカルな奴、といったほうが似合うかなぁ。
彼の障害については「久しぶりにこれ聞いた」って感じで懐かしかったんですが(苦笑)。
昔、レディコミで、よく、こんな人、出てきましたよ。
カッコよくて、女性にもてるのに、実は、みたいな。
便利な設定でもありました。
岡田君は、反抗期な感じで演じてくれるといいなぁ、とか思いました。
最近は、つわものの役が多い岡田君ですが、本来はこういうナイーブな演技が本領のハズ。
でも、想像の斜め上を行く人なので、どんな演技を見せてくれるのか楽しみ(*´ω`)。
しかし、この小説を映画化するにあたって、キーマンは二歳の女の子だと思うんですけど。
誰がやるのかな(;´Д`)。
「ぼぎわんが来る」の原作者の方は、岡本綺堂にリスペクトしているそうですが。
巻末の解説で、「ずうのめ人形」に言及したとき、「リング」や「残穢」が取り上げられてました。
小野不由美(残穢)はホラー作家なのか。
確かにコワイ、けれども、全然ホラーだと思って読んでなかったわ(;´Д`)。
今私の愛読書は「半七捕物帳」で岡本綺堂作です。
岡本綺堂編の中国怪奇小説集と世界怪談名作集は読了済み。面白かったですよ。
ホラー小説。
昔から愛読書のひとつにシャーロック・ホームズ全集がありますが、その中で一番好きな「バスカヴィル家の犬」はミステリーでありつつ、ホラーですわな。
コナン・ドイルはそれ以外にも、案外ホラー小説を書いてます。
「大空の恐怖」とか結構怖かった。
怖いものは得体のしれないほうが面白いものです。
私、ホラー小説苦手とか言いつつ、結構好きなんだなァ←。
前述の小野不由美は「十二国記」で有名な人で、私も続編を切望する一人なのですが、この話、切り口を異にした「魔性の子」というホラー小説がありまして、同じ世界観の話なのに、視点が違うとこんなに怖くなるのか!と驚嘆したものでした。
「黒祀の島」も怖かったなァ。
今度は勇気を振り絞って、「残穢」や「屍鬼」読んでみるか…💦
今、手元に未読であるのは磯田道史著「日本史の内幕」。
この人の本は、今まである別の研究者の資料やその他を参考に自分の仮設や推測をこねる他の歴史書と一線を画して、一次資料を基に、豊富な知識で解説を施してくれて、生の歴史資料に触れている快感を得られます。
もう一冊はケント・ギルバート著「日本人だけが知らない世界から尊敬される日本人」。
この人の話は基本日本よいしょ本で、頭から信じるわけではないのですが、日本に長く住むアメリカ人の視点がユニークだし、日本語も英語も堪能で文章がよみやすい。
また、どうも最近、日本よいしょに弱くなってしまってて、耳をふさいでなくともよかろうと、ポジティブ日本人な話も楽しく読んでます。
学生の頃は、ネガティブな話ばかりに耳を傾けていたので、歴史の教授が、戦時中、日本がどれだけ朝鮮半島に資金を投入してインフラを整備したか、という解説を聞き流していました。
でも、日本は加害者でしょ、って。
おそらく、日本の統治時、朝鮮半島で差別はあったと思うし、理不尽なことも多々行われていたと思いますが、今にして思うと、日本人の国民性がマイナスに表れた結果と思われなくもない。
同じ日本だから、日本人もやっていることを朝鮮の方に求めた結果、過酷過ぎた、という部分も無きにしも非ずな気もする…。
けれども、戦時中の日本の資金によって調えられたインフラが、今現在も朝鮮半島を支えているのは事実なのですよね。
朝鮮の人々から徴収した税金では到底足りないので、三分の二くらいは日本の国税が使われていたらしいです。
何が一体歴史を捩じらせるのか。
これからの国と国の間柄を思うに、ほかの国の人と話す際、日本のことを深く知らなくてはなりません。
少しずつ、子供たちにも考えるきっかけを教えて上げられたら、と思いますね。