最近いつも社歌が頭回ってます、silversnowです。

今日は、海賊とよばれた男、旦那と2回目行ってきました。

私自身は、次女と見た試写会を合わせると3回目(笑)。

同じ映画をスクリーンで何度も見ることはタイタニック以来です。

旦那も、同じ作品をリピートして映画館で見ることは決してない人なので、この映画は特別だな、と感じました。

 

この映画、やっぱりスルメ映画で、見るたびに新しい発見があるし、飽きない。

そして、岡田准一の演技が、これまた何度見ても粗が見えてこない。

最初感動しても、何度か見てるうちに粗が出てくることってあると思うんですが、国岡鐵蔵は、何度見ても国岡鐵蔵でありました。

それから、岡田君の演技に目を奪われて最初は気づかなかったんですが、2回目の鑑賞で吉岡君の演技に惹かれ、3回目の鑑賞で、国岡商店脇を固める演技人や國村さんの演技の良さに気づいて、きっとこれから何度か見るうちに、その他キャスト陣の演技や小道具のしゃれっ気やこだわりに気づいたりして、細かいところでも新しい発見ができそうです。

混乱しがちなストーリーですが、印象的なエピソードを抜き出すと、

 

①若いときの売り込みから追い返される落ち込む鐵造。

②海賊とよばれて肩で風切る鐵造。

③満鉄で、メジャー相手に戦いを挑む鐵造。

④60代に近くなり、戦争中でも石統と対抗する鐵造。

⑤そして、戦後まもなく、社員を奮い立たせる鐵造。

⑥ラジオ事業などで、社命をつなぎ

⑦社員とともに油にまみれて作業する鐵造。

⑧石油の商いを再開できる鐵造。

⑨メジャーに絶縁状をたたきつけ、国内で孤立するも、日章丸を建造する鐵造。

⑩メジャーから石油ルートを閉ざされ、日章丸をイランに派遣することを決意する鐵造。

⑪最後に、晩年の、海賊とよばれたころに回帰する鐵造。

 

時系列で並べると、こういったシーンが羅列できるのですが、これが、映画で再構築されると、

 

戦後、国岡商店を再建する鐵造⑤①②

海賊の心意気を再び、ラジオなど石油以外でも商売を広げ⑥、

海軍のタンクをさらい、再び石油販売を行い、⑦③④⑧

メジャーとの対決で日章丸を派遣⑨⑩

晩年⑪

 

といった形になるのかな、と思います。

小説を読んでる人は、重要なエピソードが映画では割愛されているように感じると思いますが、小説ではその長さが必要なくらい語ることが多いわけで、それをすべて映像化することは無理だと思うんです。

すると、映像化する必要がある部分というのは、日章丸なわけで、それを映画にするとき、そこに至る経緯と鐵蔵の人となりをどう効果的に再構築するか考えたとき、山崎監督の挑戦的なシナリオがこういった形をとった、ということですよね。

たまに見られる的外れな批判には当たらないと思います。

 

今までの日本も、これからの日本も、この映画で描かれているような熱い気持ちとあきらめない心を大切に、歴史を紡いでいってほしいと願うばかりです。