昨夜、ザ・プロファイラー石田三成、見ました。
私の石田三成像の原点は、「花の慶次」という漫画に登場するイメージ。
前田慶次が主人公で、途中までかなり石田三成は嫌なやつです。
「おーい竜馬」に登場する大久保利通みたい(笑)。
頭はいいんだけど、几帳面すぎて、一人勝手に怒ってたり、思い通りにいかなくて顔に出さなくてもイライラしてたり。
でも、やらなくてはいけないときにはきちっとやることはやる。
嫌な奴だけど、男気のわからないやつではない。
段々慶次と分かり合います。
人と相いれるわけではないけど、彼なりのやり方を貫き通した男。
そんなイメージでした。
地元では名君というのも前々から聞き及ぶところ。
戦国時代に領民に慕われる武将って、よほどだよな、って思います。
ただし、無理を通してるわけだから、一方を通して一方が成り立つわけないって気も…。
なんか、下には慕われて、上には疎まれてっていうキャラ、三国志でいうと関羽を思い出しちゃいました。
三国志演義の主人公は劉備で、人徳兼ね備えた人物として描かれますが、その義兄弟である関羽と張飛は対照的な人物として描かれます。
二人とも無双といわれる豪傑なんですが、後に神としてあがめられる関羽は、劉備の敵である曹操に是非とも部下にほしいといわれるほど才能を買われます。
けれども、受けた恩を返すとさっさと劉備の元に戻ってしまう。
忠義に篤く、たとえ主君以外の目上の者になんと言われようと自分の意見を変えようとはしません。また、配下思いで部下に慕われています。同格のものを下に見る傾向がありました。
一方張飛は、目上の者の指図に従い、部下を酷使することもありました。
張飛は最後、部下に裏切られ討たれます。
そして、関羽は味方が凋落にあい、段々と裏切られて最後はだまし討ちにあって亡くなります。
三国志は三国が天下をめぐって争う話ですが、劉備の勢力を切り崩すためにはほかの二勢力はまず関羽を攻略したのです。
石田三成も、徳川家康にとって、天下取りのため豊臣家の屋台骨を崩すためにはどうしても倒しておかなければならない人物だったのでしょうね。
歴史は勝者の理屈で作られる。
武将としてあり得ないまでの最後の処刑のされ方から、後世の人はさげすんで評価しがちですが、楊貴妃と同じく、その頃の時代の負の遺産をすべて背負わされている人物であるのかもしれません。
豊臣家は、晩年の秀吉の奇行がその行く末に影を落としたような気がします。
刀狩りや太閤検地はその後の日本の秩序作りに欠かせないものでしたが、朝鮮出兵は未だにくすぶる日韓の負の感情の原点でもあるのです。
時代が徳川家康に傾いていくことは変えられないことだったのではないでしょうか。
頭の良い石田三成が、時代の趨勢をわからないはずはなかったと思います。
彼が、徳川家康を選べば、また別の歴史もあったと思いますが、彼は忠儀を尽くし、必死に主君の家を守ろうとしていたように思えます。
そういう意味では、関ケ原で万全の布陣を敷きながらも、敗北により自らに訪れる運命も織り込み済みだったような気がします。
来年の関ケ原。
岡田くんはどう演じるのでしょうね。
どういう人物に描かれるのであれ、とても楽しみですが、合わせて、島左近や、その他の登場人物のキャストもわくわくして発表を待っています(^^)。