いやー、見ごたえありましたね~!
ちょうど、お仕事で西洋の甲冑を描かなくてはいけなかったので、それもすごく参考になりました。
武器もね、ファンタジーだと無秩序に出てくるけど、大剣からレイピアに変わっていく時代が垣間見れて面白かったです。

番組の内容としては、岡田君がイタリアフィレンツェを訪問し、ジョヴァンニ・デッレ・バンデ・ネーレというメディチ家出身の武人の半生を追いながら、彼が極めていたというルネサンス武術というものが後世海を渡り、フィリピンでカリに変化しアメリカでメジャーになる歴史の流れを追う、というもの。
テレビ初登場というスティッベルト博物館が圧巻。
所狭しと並べられた中世の武器防具。特に、馬や人のマネキンに武具をまとわせて当時の騎士を複数再現した展示は素晴らしかったです。
岡田くんも「見たことない~!」と言いながら目をキラキラ。揉み手しながらじっくり見入ってました。

このスティッベルト博物館には日本の甲冑も数多く展示され、このブログでかねてから記事にしているように、当時ヨーロッパで吹き荒れていたジャポニズムの嵐がここにも!という感じで面白かったです。
実業家スティッベルトは西洋の武器防具のみならず、日本の甲冑にも魅せられて、非常に保存状態の良い状態で展示されていました。日本でもあんなに一堂に会している鎧にはなかなかお目にかかれないと思います。
日本の鎧の展示ケースをのぞき込んでいて、ふと戸惑う岡田准一。
「これって、有名なやつもあります?」的なことを日本にも留学していたという学芸員さんに尋ねます。その時の表情が可愛かった(笑)。
岡田准一って、言い淀んでるときの口の動きがなんか面白い人ですよね。

その博物館では、甲冑のレプリカを着せてもらって、動きやすさや軽さを実演してくれる岡田君。
西洋の甲冑が日本の甲冑より軽いと思わなかったのでちょっと意外。
動きやすいだろうなぁとは思いましたけど。
一緒に見てる旦那が盛んに、股間の守りを気にしていたのが笑えました。
馬に乗るからそこはよかったのかなぁ。
軽々とロングソードを操り、型は武士っぽいんだけど、学芸員さんに仕掛けてみたりして、こらこら、と思いつつ、その素早い動きとカメラワークに「さすが映画俳優…」と思わずにはいられませんでした。

城壁に乗せて町の防御に使っていた大弓の実演もしてくれました。
しょっぱなから、的の中心近くのいいところにあてる岡田君。
嬉しそうでしたが、すかさず、素人でも扱いやすい武器の利点をアピール。
さすがのMCぶり。実演させてくれた町のおそらく保存会と思われる人々も納得のうなずき。
外人さんが、日本の城下町を訪れたとき、「日本の殿さまってひどいね、城壁は城だけで、町は丸裸なんだ」という感想をもったとか。
ガイドさんが「日本は殿様がすげ変わるだけで、町民にはほとんど被害が出ないから、町の防御はそんなにいらない」というとびっくりしていたという話を聞きました。
ヨーロッパでも中国でも、おおきな町はたいてい城塞都市です。
イタリアでは、大弓で一般市民が街の守りを担当していたんですね。
日本では、ほぼ、戦いは武士の担当で分業制が成り立っていたのが興味深いです。


ジョヴァンニ・デッレ・バンデ・ネーレが出身のメディチ家、番組ではあまり大きく取り上げませんでしたが、ルネッサンスを語るにこの名家を語らずには通り過ぎることはできません。
その当時のヨーロッパの王家と広く婚姻関係を持ち、数々の歴史上の有名人を輩出したメディチ家ですが、フランスのブルボン王家の王妃、マリー・ド・メディシスはとくに面白いですね。
彼女の息子ルイ13世の時代は小説「三銃士」の時代。
敵役のリシュリュー枢機卿は有名ですけど、マリー・ド・メディシスは権力をめぐって、息子とリシュリュー卿を取り合います。
小説のせいか、なんとなく腹黒いイメージのリシュリュー枢機卿ですが、無私な政治姿勢はなんとなく石田三成を彷彿とさせます。
三成は道半ばでなくなりますが、リシュリュー卿はフランスの絶対王政の基礎を築き、早世したルイ13世の後継ぎわずか4歳のルイ14世が、のちに太陽王と呼ばれるまで礎となるのです。
その他、法皇も輩出するほどの権力と富を持つメディチ家は、なんといってもルネサンスの芸術家たちのパトロンとして有名で、メディチ家がなければあの時代の芸術の爆発的な発展はなかったのではないでしょうか。

さて岡田君、番組最後にルネサンス武術を扱えるというイタリア武術の達人に教えを請いに向かいます。
長い薄暗い回廊の向こうに光の中に浮かび上がる黒い人影が!
「こえ~」とビビりながらも嬉しそうな岡田君、あいさつを済ませるなり、達人による手合わせが始まります。
岡田くんができると踏んだのか、どんどん早くなる組手!
ナレーションの「あいさつ代わりの組手が始まった」っていうのが普通の紹介番組ではありえない(笑)。

長剣と短剣の二刀流であるルネサンス武術の型を教えてもらいます。
一つ一つ達人を模しながら6番目に出てきた闘牛士のポーズに着目。
また、「アバニコ」という型で「あ、これわかる~!」とかわいい岡田君。
カリにも同じ呼び名の型があるようです。
視聴者にわかりやすいように、カリの棒の振り方をやって見せる岡田君。
振りの速さが半端ない(^^;)。
達人に、カリでの相手の武器の落とし方を実演して見せます。
ルネッサンス武術では同じように武器を取り上げる技はありますか?と尋ねる岡田君に、すかさず技をかける達人!
掛けられた技で組み伏せられる岡田君は貴重(^^)。

それにしても、カリの、相手の持つナイフの落とし方、なんか、ボーン・アイデンティティーにはじまるボーンシリーズのアクションを思い出しました。
マット・デイモン扮するボーンは凄腕のCIAスパイで、本国に離反したんでCIAの凄腕の暗殺部隊に追われるんですが、ときに、ボールペンを武器にして狭い書斎で戦ったり、なんかすごくリアルだったりするんですよね。動きも最小限で。
動きも派手じゃなく渋かったりする。

今回、伝授をお願いしたルネサンス武術では、岡田君のナイフを取り上げるまで、達人は立ち位置を複数変えています。
岡田くんのカリではナイフを落とすまで基本立ち位置は変わりません。
これは、ルネサンス武術が大航海時代を経てフィリピンに持ち込まれたとき、フィリピンは密林の国ですから狭いところで戦うことを要求された結果だと思うんです。
岡田くんはもしかすると、さりげなくその武術の変化発展を示唆したような気もします(^^)。

その後のカリの手合わせの速さ!
右手のスティックと左手の短剣を蛇のような軌道で操ってすごい速さで打ち合ってました。
超接近の組手も達人、素早く力強く、岡田くん、じりじり押されてましたが、教えを乞う岡田君はあくまで受ける側なので、お互いもっと攻撃を繰り出してガチの稽古してたらほんと面白いのになぁ、とワクワクさせてもらいました(^^)。

それにしも、今回もサービスショットが多かった(#^^#)。
岡田准一の美しさをたっぷり堪能いたしました。
イタリア人に交じっても遜色ない顔の濃さとか(笑)。
なんで、それでいて永遠の0とかではしっかり日本兵に見えるのかな。
なんでも、海外ロケに行くたびに警察に国籍不明でパスポート提示を求められるとも聞きましたけど(笑)。
旦那が「完全に浜辺のロケはサービスカットだよな。企画側はどういって岡田君に海岸歩かせたのかな?海眺めて歴史について語ってくださいって言って、それだけのために海に連れだしたんだよな?」って珍しく推察してました(笑)
また、カリの組手シーンでは「この達人、岡田に「やるな!」って思っただろうな」って言ってみたり、「岡田でないとこの番組できないよな」ってひとりごちてみたり。
男女問わず興味深いザ・プロファイラー。
また、録画してある植村直巳回を旦那とゆっくり見たいと思います。
来週の楊貴妃もめっちゃ楽しみ!
「海賊とよばれた男」の公開までうちの岡田准一フィーバーは続きそうです。