『氷河期2』を知っていますか?とてもすばらしい映画です。今では古い映画だと言えるでしょう。まだ見たことがないなら、是非見ることをおすすめします。幼い頃からポッサムと一緒に育ったメスのウーリーマンモスが登場します。彼女は生まれた時からポッサムと暮らし、ポッサムの教育を受け、自分自身もポッサムだと思い込んでいました。空にワシが現れると、彼女はポッサムのように死んだふりをして攻撃をかわそうとします。実際には、成長したウーリーマンモスを攻撃できるワシなどいるはずがありません。
私たちも同じです。生まれた時から、誰かが自分のことを教えてくれます。どの言語を話すべきか、どのように歩くべきか、食事はどうするべきか、他者とどう交流するべきか。私たちは、自分がポッサムだと思い込んでいるウーリーマンモスなのです。自分の真の姿が無限であることが分かっていません。ワシを見ると死んだふりをするのに、全く恐れる必要がないことも分かっていません。
金剛乗では、自分に対する固定観念を壊すことがとても重要です。自分はポッサムではなく、ウーリーマンモスであることを認識する必要があります。ポッサムだと思っているため、あまりにも多くの不安と恐怖を抱えています。ワシにさらわれることを恐れ、ポッサムのようにしか歩けません。これはすべて、自分の真の姿に対する誤った認識が原因です。自分がウーリーマンモスであると分かれば、はるかにリラックスできるでしょう。外を歩いているとワシにさらわれるのを心配することはないでしょう。
仏教では、自分自身の定義は真の姿からかなり遠のいていると考えられています。私たちは誤った導きを受けているのです。自分は何者かと教えられ、その通りに想像し続けてきました。今日に至るまで、自分がずっと信じてきたその人格であると確信しています。そのため、真の姿を感じ取ることができないのです。しかし内面の奥底では、自分の存在に確信が持てず、他者からの称賛を必要としているのです。生まれた時からポッサムと暮らしてきたマンモスが、マンモスらしい見方をするはずがないことは想像に難くありません。ポッサムの視点を持ち、樹上にぶら下がることが当たり前だと思うでしょう。したがって、今の世の中で育つことは、マンモスがポッサムの影響を受けるように、周囲の人々の影響を免れることはできません。他の人と似た考え方をすることになるでしょう。人間には共通の考え方があります。例えば、自分は人間であると考え、存在自体を疑うことがない。このような考え方が、自分自身を正しく理解することを妨げてきたのです。金剛乗の法門は、自我の定義を崩すことを目的としています(実は、この目的は金剛乗固有のものではなく、仏教全般の目的です)。なぜならその定義は完全に誤っているからです。例えば、今の自分の姿ではなく、六臂三面の青色の本尊を想定することを求められるかもしれません。これが、ポッサムからウーリーマンモスへのプロセスなのです。私たちはポッサムではありません。ウーリーマンモスなのです。しかしずっとポッサムだと信じてきたので、このことを受け入れるのは難しい。しかしまさにポッサムではないからこそ、ウーリーマンモスの状態に回帰することができるのです。極めて重要な点は、もともと私たちがウーリーマンモスであるということ。ウーリーマンモスは私たちの創造物ではありません。本来そうだったのです。金剛乗の全ての努力は、真の状態を認識させるためのものに過ぎません。ポッサムであるなら、ウーリーマンモスになる望みはまったくありません。自分が今考えているその存在であるなら、決して仏になることはできません。本来仏であるからこそ、仏になることができるのです。今の自分の考えている通りの存在であるなら、何も不可能です。金剛乗のすべての理論は、空性に基づいています。空性がなければ、金剛乗の観想は笑止千万なのです。この言葉は私の言葉ではありません。ゴクドン・ルンペーの言葉だと記憶しています。
私たちはみな、自分はポッサムだと思い込むウーリーマンモスです。自分の広大さと無限性を知りません。何も恐れる必要がないことを知りません。私の言っていることが分かる人は多いと思います。分からないなら、仏教や金剛乗、氷河期2に対する理解が不足している証拠です。
2011年4月29日、霊山の隠者のブログに初出。
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灵山居士：冰河时代2——那个认为自己是负鼠的长毛象