今月12日に東京・後楽園ホールで女子プロボクシングのトリプル世界タイトルマッチが開催されました。当日のメインイベントはWBA(世界ボクシング協会)・WBO(世界ボクシング機構)統一女子アトム級タイトルマッチが開催されました。2団体統一チャンピオンとなった黒木優子はアマチュアでの実績から6回戦からの戦いとなった松田恵里を挑戦者として迎えての対戦となった。試合は開始早々に松田恵里のストレートが黒木優子の顔面に直撃。黒木優子は一瞬ふらつく一場面があり、場内は騒然となった。黒木優子はダウン寸前となった。試合は規定の10ラウンドが終わるまで松田恵里のペースで試合が進んでしまった。勝負の行方は3人のジャッジの採点となり、3人のジャッジの採点は1人のジャッジが96-94で黒木優子を支持となったが、残りの2人のジャッジは97-93、96-94で共に松田恵里を支持。試合の中盤戦から終盤戦にかけては黒木優子は『玄海の舞姫』らしからぬ打ち合いのボクシングを演出。「ワタシは倒すボクシングをします。」と公言した黒木優子は有言実行のボクシングを演出。黒木優子が現役時代の大内さくらのような打ち合いのボクシングで試合を沸かせた。その戦いが1人のジャッジの採点でも大きく現れた結果となった。この結果、ポイント2-1のスプリットディシジョンでの試合結果になった。黒木優子が有言実行のボクシングができなかったシナリオとなれば、おそらく黒木優子はプロデビュー戦の西田久美子との対戦カードの試合以来のダウンを喫する結果となったことでしょう。松田恵里も強かったと思う。前回の鈴木なな子との対戦カードでも松田恵里は実に強いなと感じた。私個人的には鈴木なな子がKOされずに無事にリングから帰ってきてほしいとの気持ちが強かったけどね。だけど、鈴木なな子も松田恵里を相手に倒しに行くボクシングを演じた。統一世界タイトルの座は松田恵里へと明け渡す結果となりましたが、黒木優子の執念のボクシングを演じたプロ根性にも注目が集まる一戦となりました。
当日のセミファイナルの試合はWBO(世界ボクシング機構)世界女子スーパーフライ級タイトルマッチとなりました。チャンピオンで2度目のタイトル防衛を目指す晝田瑞希が挑戦者として韓国から来日したベテランのパク・ジヒョンと対戦となり、試合は6ラウンドにパク・ジヒョンから晝田瑞希がダウンを奪う展開に。実は、このダウンがパク・ジヒョンにとってはボクシング人生初のダウンを喫する結果となり、終わってみれば6ラウンド1分45秒TKOで晝田瑞希が勝利して初防衛戦から2試合連続のKO防衛となりました。敗れたパク・ジヒョンにとっては初めてのKO負けの屈辱でタイトル奪取を果たせず韓国へと帰る結果となりました。晝田瑞希が勝利して話題となるのが、パリオリンピック終了後の並木月海の動向だ。来年以降に、この両者の3度目の対戦は実現するのかにも注目したい。なお、トリプル世界タイトルマッチの残り1試合のIBF(国際ボクシング連盟)世界女子アトム級タイトルマッチが開催され、チャンピオンとして初防衛戦を戦った岩川美花は挑戦者として山中菫を迎えての対戦となり、試合は規定の10ラウンドを戦って判定となり、3人のジャッジの採点は99-91、96-94、97-93で3人のジャッジ全員が山中菫を支持となり、山中菫が新チャンピオンに。岩川美花は初防衛に失敗となりました。

