「人事」の仕事への興味
 少し前のことだが「サイバーエージェント流 成長するしかけ」を読了した。CA社の取締役人事本部長である曽山氏が自ら、CA社の成長を支える様々な施策を背景とともに綴ったもの。大変参考になるとともに、非常に刺激を受けた。自分が直面する現状になぞらえ、色々と思うことがあった。と同時に、自分のキャリア形成を考えた場合(40歳でマネジメントになるというのが1つのマイルストーン)、早めに人事や経理などの間接業務で「KPIを持ち」目標達成に努力するという環境に身を置きたいと思った。

トップセールスを管理部門へ転籍させる決断
 しかしやはり同著で最も感銘を受けたのは、曽山氏の手腕もさることながら、同社社長の藤田氏の経営者としての意識と能力である。「会社の財産は人だ」ということを言う経営者は多い。また、会社の競争力に「人財」を挙げる経営者も多いが、同社のようにトップセールスを間接部門にアサインするのは、なかなか出来ることではないはず。人材重視を謳いながら、人事制度は後回しになる、というのは中小企業では一般的なことだろう。

「この組織なら、何をやっても成功する」
 今、手元に本が無い(後輩駐在員に課題図書として献本)ため、正確な記述を出来ないが、本の最後部で、曽山氏と藤田氏が対談形式で綴る中に「この組織(CA社)ならラーメン屋をやっても成功する自信がある」というようなことを発言していた。この部分、非常に刺さった。私自身、PRという仕事ではなくとも、他の仕事をやっていたとしてもそれなりに成果を出せるだろうと思う。その理由は「考えることを諦めない」からだ。「失敗しても、成功しても、現状に甘んじること無く改善を志向する」からだ。「上昇志向が途切れない」からだ。しかしそれは、自身に対する自信だけであり、組織に対する自信ではない。この差は残念ながら大きい。こんな風に胸を張って言えるようになりたいものだ、と嫉妬すら覚えた。