HEYTEXの交換日記。 -467ページ目

善意の犠牲。【hey】

昨日、
都心に向かう中央特快は、
なかなかの混雑だった。

ドアに1番近い席の前に立って、
吊革につかまり、
本読んでた。

前に座ってたのは、
アラフォーな男性。
常に運動してそうな格好。
膝の上にはリュック。

停車駅で、
カートをひいたおばあちゃんが、
通りすがりのオバサンの力を借りて乗ってきた。

しきりにお礼の言葉を並べるおばあちゃん。
江戸っ子風に、
笑顔で颯爽と去るオバサン。

いいモノを見た。
あったかい気持ちになれた。
と、
思うのも束の間。

その光景に、
己の良心を、
盲目的に刺激されてしまった男が1人、
目の前に居た。

「こちらどうぞ」と、
おばあちゃんに席を譲ろうとする。
おばあちゃんは既に、
江戸っ子オバサンがドア脇に設置した、
自前のカートに座っているし、
混雑した車内を気遣って辞退。

しかしアラフォーの、
燃え上がる善意の炎は収まる気配が無い。
「ど・う・ぞ!!」
と念を押して立ち上がった。

アラフォーのリュックに、
グイグイ押し出される私。
私が立っていたスペースも、
つかまっていた吊革も、
アラフォーの侵略により失った。

しかし大満足な様子のアラフォーは、
自分に向けられている、
白い目線には一切気付かず、
勝手に己の善意に泥酔している。

周りが見えないアラフォー男。
今日もどこかで、
勘違いに溺れているに違いない。

hey.