岡崎体育「MUSIC VIDEO」
画像は収録の『BASIN TECHNO』
テクノポップの新しい形?である盆地テクノを名乗って昨年メジャーデビューした岡崎さんの、そのメジャーデビューアルバムの中の曲。
♪カメラ目線で歩きながら歌う 急に横からメンバー出てくる~ という歌詞で始まるこの曲、もうわかりますよね。CDのプロモーション用に作られる“MUSIC VIDEO”というものがありますが、そこでのありがちな事、つまりあるあるネタを歌った曲になります。コロンブスの卵というか、誰もが思いつきそうでなかなか思いつかない。それをチョイスできた時点で勝ち!という感じですね。
で、とにかくそのネタが秀逸です。♪無意味に分身するよね~ とか、♪意味深に果物持っとけ~ とか、♪フェンス越しに儚げな顔~ とか。♪ラーメン屋の見習いっぽいやつに店の前で落ち込ませとく~ なんかは、冷静に考えると誰の“MUSIC VIDEO”?という感じなんですが、すさまじくありそうです。“ミュージックビデオにおける女の子の演出講座”には笑かしていただきました。
ただ、それだけではあるあるネタを並べてディスっただけになります。(それでも面白いけど)この曲が素敵なのは、サビの歌詞でちゃんと“MUSIC VIDEO”をアゲている所です。♪揺るぎなき制作意欲は作り手の願い 狂いなき眼差しは受け取り手の想い 一億人に届けMUSIC VIDEO~ そこには、どんなアーティストだって曲を届けたくて、制作スタッフさんはアーティストを少しでも輝かせたくて一生懸命なんだ、そう思ったらちょっとホロッとしましたよ。“一億人に届け”っていいですね。
そんな内容のサビをめちゃキャッチーなメロディに乗せて早口で歌い、インパクトは抜群。さらに最後の♪一億人に届け~ はまさに世界中に歌い上げるような開放感です。サビの前半のバックはイントロ(及び間奏)とシンクロさせているし、ラップっぽいパートも含めてサビ以外は全部違うメロディになっているし、すごく良くできた楽曲だと思います。
でもこの“MUSIC VIDEO”あるある、まだまだありそうですね。“行く所なくなったら廃墟か屋上”とか、“自転車乗らす(ミュージックビデオにおける女の子の演出講座)”とか。ちなみにこの曲を題材にした“○○でMUSIC VIDEO”という動画がネット上にたくさんありますが、ももいろクローバーのがかなり秀逸だと思います。
「MUSIC VIDEO」岡崎体育
作詞:岡崎体育
作曲:岡崎体育
編曲:岡崎体育