さねよしいさ子「風や空のことばかり」 | へーさんのCD棚~リサイクルマークはエコマーク

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持っているCDの中で、あ、いいなという曲(たぶんアイドルポップスがメインになると思います。)をのんびり書いていこうと思います。

ども。へーさんです。昨日ライブハウスの前で開場を待っている時に月を見ていたら地球照が見えました。地球照とは、太陽からの光が地球に反射して月の陰になっている暗い部分を照らす、というもので、文字で説明するとわかりづらいので気になる方は検索してみてください。便利な時代になったもんだ。これはそんなに珍しい現象ではなくて、月が細い(三日月以下)時に暗くて澄んだ空なら比較的よく見えるそうです。そんな所で961曲目。



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さねよしいさ子「風や空のことばかり」
画像は収録の『Style Book』



独特な世界観を持っているさねよしさんのデビューシングル。



四分音符のスタッカートで刻まれるピアノの音が印象的なイントロ。どこか寂しげでそして不穏な雰囲気もあります。これは1番の途中までだけなんですけど、この不穏な空気は曲中ずっと続きます。



「風や空のことばかり」という変わったタイトルは、サビの♪風や空のことばかり 考えることにした~ という歌詞の前部分になります。



♪この胃の中か肺の中 いくつも小さなうず巻きが起こったんだ~ というこの“うず巻き”はたぶん違和感と言い換える事ができると思います。それが♪いつからか 大きくひとつに まとまり出し~ て、ヘンな事になってしまった。きれいな響きに招かれた僕は「風や空のことばかり」考えることにした、と進んでいきます。人間社会の歪んだ部分から逃避を宣言する曲と言えるでしょうか。



2番の冒頭の、♪君の言うことが正しいよ だけども僕の言うことも正しいから それで満足 どうでもよくなっちゃった~ 人間社会の煩わしい部分は逃れられない必要な部分だけど、「風や空のことばかり」考える僕のように生きていけたら楽でもあり、どっちの論理もわかるんだけど、というのがこのフレーズに表現されていると思います。



さねよしさんの優しさと狂気が同居したような声もあり、子供が駄々をこねているようなフェイク(うまい表現が見つからず申し訳ない)も不穏な感じは読み取れますが、人間社会からの逃避・拒絶、というテーマが感じられるのが、曲全体を支配する不穏感につながってると思います。



「風や空のことばかり」さねよしいさ子

作詞:さねよしいさ子
作曲:さねよしいさ子
編曲:栗原正己/さねよしBAND