また一気に読んじゃったなあ。仕事に行く前だから、半分だけにしておこうと開いたのに。


伊坂幸太郎氏のファンは多いはずだよ。

読み始めたら止まらないんだから。


生きるにおいて実感する痛みが具体化されており、さらに、物語の展開を見つめることで、現実の再起を促してくれるからではないだろうか。


癒しを目的とした分かりやすい小説ではない。

しかし、この「フーガはユーガ」の中でカードゲームに奮闘するユーガの姿を見るだけでも、直感的に、分かることがある。


生まれたとたんに「外れ」と捨てられたかのような育ち方をしても、チャンスを掴むやつは掴むのだ。


「知らないことは、知っている人に教えを乞え」


読みながら、これが、できそうで案外できないのよ。なんでなんだろ?と自分に問うのがいいのだ。するとするりと次の言葉が飲み込める。


「小馬鹿にされるくらいが何だというのか。」


本当よねぇー。小馬鹿にされても死にゃしない。



易しく書かれた啓発書と比較しても、物語となれば、かなり読みやすく、自己投影した人物の生き抜くコツは、わかりやすい。


理論じゃないもんなぁ、人生。


大体、教訓なんて忍び込ませる気持ちもないだろう。

作者にしてみればただの人物設定や状況説明のつもりなんだろうが、やはり行間に溢れてしまうのだ。


「挽回できるさ」


不運だけど最強のこの双子はそんなヤボなこと口にしないけど、ね。