今日と明日は、いつもお世話になっている高齢者施設や、病棟の音楽療法に伺うことになっている。
奇しくも8月12日・・。この日の選曲は、以前から心に決めていた。
年配の利用者の方々には、馴染みのない歌だと思うが、他のお馴染みの歌にからめて
お届けできればと、構成を考えてみた・・。
毎年8月になると、6日や9日や15日を素通りすることはできない。
いや、何十年経とうと、素通りしてはいけないのだ。
目の前に居てくれる、60代から100歳を超えるおじいちゃまやおばあちゃま方は、
その苦しく辛い時代を、現実にその目で見て、その身体や心に大きな傷を背負いながら
生き抜いて来て下さっているのだから・・。
いつも 一番前に来てくれるT子さんは、私の口元を食い入るようにじーっと見て、
片時も目を離さない。
いつも 眼は開いていても、ほとんど瞳が動かなくて、ずっと同じ姿勢のままのBさんは、
近寄って手を握って、お顔の前で歌ってさしあげると、ほんの少しだけ口の端をあげて下さる。
後ろのほうで、ベッドに横たわったままのM子さんは、目はつむったまま、右腕は固まったまま、
ほとんど反応がない・・。それでも耳だけは!・・ほんの少しでも聞こえていてくれたらなと、
そう信じていたい。
一番後ろまで、一言一句、ちゃんと届いてくれることを、
また来年も ずっとお元気でいてくれることを切に願いながら、
坂本九さんが、最後に残して下さったこの歌をお届けしたいと思う。
「心の瞳」
心の瞳で君を見つめれば
愛すること それがどんなことだか わかりかけてきた
・・・省略・・・
夢のまた夢を 人は見てるけど
愛することだけは
いつの時代も 永遠(とわ)のものだから
長い年月(としつき)を 歩き疲れたら
ほほえみ投げかけて 手をさしのべて いたわりあえたら
愛の深さ 時の重さ
何も言わず わかりあえる
たとえ過去(きのう)を懐かしみ 振り向いても
それは 歩いてた人生が あるだけさ
いつか若さを失くしても 心だけは
決して変わらない絆で 結ばれてる
愛すること
それが どんなことだか わかりかけてきた
愛のすべて 時の歩み
いつもそばで 分かち合える
心の瞳で 君を見つめれば・・・
作詞 荒木とよひさ/ 作曲 三木たかし