宗教の矛盾(Ⅰ) 鋳造の仔牛 | 新 HEX大社
■ 宗 教 の 矛 盾 (Ⅰ)  鋳 造 の 仔 牛


世界の大宗教は大別して2系統(+1)といえる

▶ YHWH=ヤハウエ(エホバ、アッラー)を唯一絶対神として戴く宗教 
 共通して「旧約聖書」を聖典とする
 .......ユダヤ教、イスラム教、キリスト教

▶ インド系の多神教で各宗派の神が入り混じる
 .......ヒンズー教、仏教など
 
 インドでは、仏教をヒンズー教に内包する新興宗派と理解する為、第2次世界大戦後、仏教徒は排斥されなかった

▶ シュメール源流の神を戴く宗教(ミトラ神→バール神→アフラ=マズダ)
 過去に有力であったが現在はほぼ絶滅。
 しかし影響は大きく各宗教に影響・神格が残る
 .......ミトラ多神教、ゾロアスター教(拝火教)


キリスト教、イスラム教、仏教....大宗教の最初の矛盾は、どれも独善的排他的であること
自宗派を唯一の真理とし、他宗派を邪視する

それが正論ならば、殆どの宗教は誤りで邪宗であることになる
宗教理念の違いも問題視するが、他宗教や自宗派以外の神を同時信奉することなど絶対に許さない
これ即ち、独善性の証明である

日本的な八百万の神本地垂迹の考えなどは通用しない



一枚のキリスト教の宗教画がある

旧約聖書の『出エジプト記』 32章
 「鋳造の仔牛
....紀元前17世紀頃のこととされる

各宗教・神格が古くから関わりを持ていて影響し合い対立・矛盾も生んできたことを如実に示している




出エジプトの途中、モーセは、シナイ山において神から十戒の石版を授与されるまで40日間山に登ったままであった
ヘブライ人(後のユダヤ人)たちは待ちきれず、バール神を象徴する金の仔牛像を造って拝み、どんちゃん騒ぎをしていたのである
ヤハウエに騒ぎを知らされて、下山した預言者モーセは民衆を激しく叱責した


ヤハウエ以外の神を信奉している事
神への裏切りにモーセは怒り、金の子牛像を粉砕して、拝んでいたイスラエルの民に罰として呑ませた
また、モーセは、レビ族を集めて偶像崇拝に加担した民衆の殺害を命じた。

神託を受けたモーセによって殺害された者は、3000人に及んだと旧約聖書は記述する事件である。


シュメールの主神であるバール神(ミトラ神)は、牛の角を持つ少年又は牛の頭を持つ神とされる
ヘブライ人(イスラエルの民)は、バール神と関わりが深く、古代イスラエル王国の王は、バール神を信奉している

バール神の神紋は、日本の天皇家の紋章と同じ「16弁菊花紋」であり、古代イスラエルや中東諸国に菊紋があふれている理由である
シュメールの影響力は絶大でオリエント諸国は、いずれもミトラ神を信奉したからである
その影響はエジプト・ヘレニズムにまで及んでいるほど




またインド人が、牛を神聖視して食べない理由は、バール神信仰にある

結局、旧約聖書では、バール神崇拝=偶像崇拝が元で、神罰を受け、イスラエルの民は散らされたとする
これが、いわゆる、失われた十氏族である


矛盾・疑問が次々に浮かび上がる

まず、旧約聖書において、異教徒や神の裏切り者は、「皆殺し」が基本である
現在も尚、キリスト教、ユダヤ教、イスラム教に置いて旧約聖書は聖典である
従って、これら宗教では、異教徒排斥(虐殺)は神の指示であり、聖戦が成立する下地である

更に進んで、異論を持つ者・異民族の差別・排斥に繋がる
価値観の根源にある宗教自体に、大きな問題がある
これら宗教の民に戦争・紛争・テロ・対立が絶えない理由である


実は、この鋳造の牛騒ぎを主導したのは、モーセの兄、アロンだった
にも関わらず、アロンはヤハウエの祝福を受け、最初の神職、大神官アロンになっている
モーセとアロンの兄弟は、特別待遇のである
不可解な矛盾である

アロンの子孫(モーセの子孫とも呼ばれる)であるコーヘン氏族は、神官氏族として、特別な教育を受けて育てられる
前駐日イスラエル大使のエリ・コーヘン氏もコーヘン氏族である
著名な日ユ文化均質論者である



また、日本のキリスト教の場合、翻訳聖書では、この事案を曖昧に誤魔化している
旧約聖書では、神が何度も異教徒の皆殺しを命じている
不都合な記述は、勝手に書き換えて誤魔化すのが、日本のキリスト者の手口である
その為、日本の聖書だけが、他国の聖書と異なる書物になっているのである

国によって聖典の内容を変えるこの行為は、まともな宗教と理解し難い



ローマ帝国の時代キリスト教は、ミトラ多神教と覇を競っており、2大宗教だった
ミトラ神は時代や地域によって呼び名が異なり、バール神ともされる
ペルシャ帝国の守神ミスラでもあり、バビロニアマルドゥーク神でもある
牛の角を持つ少年又は牛の頭を持つ神とされるのがバール神


ミトラ多神教を蹴落とすため、キリスト教徒は「邪教呼ばわり」をした

ミトラの牛の頭を山羊に書き換えて、デビル(悪魔)と称したのである


聖書に出てくる悪魔バアルは、バール神のことである
日本語訳は、ワザと「バアル」と記述し、バール神を想起させないようにしている
欺瞞である


キリスト教の序列第2位の悪魔「ベルゼブブ」
とは、バール・ゼブブの事であり、元は神と崇められていたと聖書は記述する
つまり、ベルゼブブ=バール神である



キリスト教徒が邪教呼ばわりした結果、有力だったミトラ多神教は衰退
し、キリスト教ローマ帝国の国教となった
これがキリスト教の巨大宗教化決定打に成った


またキリストの神格特徴とされるものは、バール神を真似て取り入れたものが多い

バール神の特徴は、太陽神であり、光の子である
本来、風神(武神)であるが、太陽神アンの息子であるため、太陽神の性格を受け継いでいるのである
ヘレニズムでは、バール神=アポロン(太陽神)とされる


また、バール神は救世主でありマイトレーヤ(救世主)とされる
キリスト教においては終末の日救世主キリスト再臨キリスト教徒を救い、天に引き上げる。

これを、携挙と言い、キリストは、ユダヤ人のいるエルサレムに再臨するため、世界最大のキリスト教国アメリカは、エルサレムのイスラエルを支援する

バール神救世主(マイトレーヤ)の性格が、仏教世界にも伝わり、ミロク弥勒菩薩である
因みに、仏教において、ミロクは、釈迦の次に悟りを開く神格であり、後継者とされる

バール神由来の光の子や、救世主の性格を取り入れたのが、キリストの神格である



実は、古代イスラエルのダビデ王が天のバール神に戦勝を祈った言葉が「アーメン」である。
キリスト教は、これも取れリ入れたが、パクリであるためアーメンの意味をまともに説明できない



【余話】


ミトラ神
バール神は、様々な神格として仏教に取り入れられている


・ 牛頭天王
・ 弥勒菩薩
・ 毘沙門天他、四天王
・ 阿修羅

以上は、いずれもミトラ神=バール神である

また天界の軍の総司令で四天王を統べるのが、帝釈天である
帝釈天は、ミトラ神の兄弟神であるインドラ神が仏教政界に伝わったものである


日本書紀の記述にも関連するが、奈良・平安時代から牛頭天王=スサノオミコトとする考え方も有力
である


その為、京都祇園社八坂神社は、高句麗の伊利使(いりし)が現中国・北朝鮮国境の白頭山から牛頭天王を分祀した神社であるが、スサノオミコトのお祭りとして盛大に祇園祭を行う

祇園祭は京都を代表する祭りである