大滝詠一12人の弟子たち6 坂本龍一 | 神聖ローマ帝国の旅

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大滝詠一12人の弟子たち、6人目は坂本龍一、
出ましたねぇ、超大物が。
 
♪パレード/山下達郎
「ナイアガラ・トライアングルvol.1」に入っている、
作詞・作曲・歌すべて山下達郎の曲。
これがなぜ坂本龍一かというと、
オープニングの華麗なピアノ・ソロ、
これを弾いているのが坂本龍一なんですねぇ。
山下達郎と坂本龍一は大の仲良しです。
二人は、ナイアガラの福生スタジオで出会うんですねぇ。
「ナイアガラ・トライアングルvol.1」は、
大滝詠一・伊藤銀次・山下達郎、それぞれが自身のバンドを連れてきて、
レコーディングが行われましたが、
伊藤銀次が連れて来た「バイバイセッションバンド」、
そこでキーボードを弾いていたのが、坂本龍一だったわけです。
二人はともに東京人で、ほぼ同い歳、
都立の進学校を出たインテリ同士で、
クラスメイト的に意気投合したようです。
ナイアガラで坂本龍一は、
大滝詠一からアメリカン・ポピュラー音楽の洗礼を受けます。
あらゆる楽曲を系統立てて聴きこみ、
アカデミックに整理して解説していく大滝詠一、
そういう学者肌の人物を坂本龍一は尊敬するようで、
自分のラジオ番組に大滝をゲストで呼んだ時なども、
一目置いている様子があります。
 
♪ナイアガラ音頭/布谷文夫(http://youtu.be/Hqie4IqVKf8)
「ナイアガラ・トライアングルvol.1」B面ラストのスゴい曲。
作詞・作曲は大滝詠一で、歌っているのは布谷文夫。
布谷文夫というのは、
…これは話が長くなるから割愛。
この曲の何が坂本龍一かというと、
スティービー・ワンダー風のクラビネット、
これを弾いているのが坂本龍一なんですねぇ。
クラビネットというのは、電子クラビコードのことで、
70年代中期のファンクやディスコでよく使われました。
大滝は、日本民謡とディスコの融合を考えていて、
このような奇妙な曲を作り上げたわけですが、
邦楽の人が弾く三味線と、坂本の弾くクラビネットが、
実に心地よく絡み合っています。
そして特筆すべきことは、
「ナイアガラ・トライアングルvol.1」のセッションで、
坂本龍一と細野晴臣が出会っていることで、
どうも細野は、
この「ナイアガラ音頭」のコンセプトをヒントに、
YMOを作ったのではなかろうか…、
坂本龍一をナイアガラから引き抜いて…。
 
♪東風/YMO(http://youtu.be/vEZ3VxGWwjM)
で、そのYMO、
イエロー・マジック・オーケストラですね。
いや~、よく聴きましたよYMOは。
私、中学生でしたからねぇ、
喫茶店へ行って「インベーダー・ゲーム」もやりましたしねぇ、
YMOのコンピュータ・サウンドに、見事にハマりましたねぇ。
レコードなんて買うお金は無いから、FMでエア・チェックしてね。
YMOって、最初は全然売れてなくて、
アメリカで売れてから、逆輸入で日本で売れたんですよねぇ。
初期の作品では、坂本龍一作曲のこの曲が私は大好きで、
妹のピアノでよく弾いたものですよ、
イントロだけね(笑
 
♪The End Of Asia(http://youtu.be/3kOA11R5_F8)
この曲はスゴいです!
坂本龍一のソロ・アルバム「千のナイフ」に入っている曲なのですが、
YMOがライブで必ずこの曲を演奏していて、
とくに1979年のNYライブが素晴らしいんです。
私はそのCDを1993年にドイツで買って、
おぉさすがYMOはヨーロッパで人気があるなぁ、なんて思って、
ドイツにいる間ずーっと聴いていましたが、
何が素晴らしいかというと、
矢野顕子の踊りです、
じゃなくて、
渡辺香津美のギター・ソロです。
炸裂してます。
聴き終わった時には、
まるでその場に居合わせた観客のような感じになり、
陶酔感に見舞われて、思わず拍手喝采しています。
 
♪以心電信/YMO(http://youtu.be/qoYAZYupxcE)
YMOで、一番好きな曲です!
なんて言ったらいいのかなぁ、
この曲の発表と前後して、YMOは「散開宣言」するわけで、
結果的に最後のシングルになったこともあり、
YMOも、初期のコンピュータ・ディスコ・サウンドから、
中期のちょっと難解な時期を経て、最後に、
ポップでありながら知的で大人の雰囲気を持つこの曲をヒットさせた、
私自身もその間、中学生から高校卒業までの時期で、
ホントにまぁいろんな悩み事があって、
子供から大人になった、その、
少年時代の最後を締めくくり、そして、
大人への一歩を踏み出すテーマ曲、
みたいな気がするんですよねぇ、この曲は。
タイトルがまた洒落てますよねぇ、
「以心伝心」ではなく「以心電信」ですよ。
See how the world goes around
You've got to help yourself
Then you'll help someone else
作詞は細野晴臣とピーター・バラカン、
(ピーター・バラカンは大滝詠一崇拝者)
作曲は坂本龍一・高橋幸宏、
こんな素晴らしい曲をリアルタイムで聴けて、
本当にありがとう、
という感じですよ。
 
♪The Last Emperor(http://youtu.be/DYPNx9Y47VM)
一ヶ月前ですよ、
新聞で「愛新覚羅」の名を目にしたのが。
中国最後の王朝「清」の家系ですよ。
愛新覚羅顕琦さんが亡くなったという記事でした。
川島芳子の妹だって。
へ~ぇ、そういう人がまだいたのか!と驚きましたね。
中国最後の皇帝「宣統帝」つまり愛新覚羅溥儀、
その生涯をドラマチックに描いた「ラスト・エンペラー」、
素晴らしい映画でした。
こんな映画、もう作れないでしょうね、いろいろな意味でね。
音楽監督が坂本龍一。
少年の溥儀が、弟の溥傑とケンカするシーン。
「兄ちゃんはもう皇帝じゃないんだぞ」
「ウソだ!」
「本当さ、新しい皇帝は弁髪じゃないし、自動車に乗っている」
弟が兄を紫禁城の城壁の上へ連れて行くと、
西洋式の軍隊を護衛につけた袁世凱が車に乗って行くのが見える。
ここで坂本龍一作曲のテーマ曲が流れるんですねぇ、
溥儀が城内に戻ると、最愛の乳母がいなくなっている、
テーマ曲は憂いを増していく、
切ないですねぇ…。
溥儀が生きた60年間、それは、
中国の歴史から見ればほんの一瞬にすぎないけれど、
その「一瞬」に中国の歴史が凝縮されているんですね。
ラスト・シーンでテーマ曲が流れる時には、
泣きますよ。

♪八重の桜(http://youtu.be/DJdWySmta_0)
坂本には坂本の、福島への思いがあるでしょうが、
それとはまったく関係なく、
私には私の、福島への想いがある。
 
♪すこしだけやさしく/坂本美雨・矢野顕子
(http://www.kirin.co.jp/products/softdrink/namacya/ads/)
今年の春先ですね、
気になるCMが流れていて、
あれ、この歌なんだっけな…、
そうだ、大滝詠一の曲だ!、
薬師丸ひろ子が歌った「すこしだけやさしく」だ、
坂本龍一の娘とその母がデュエットしています。