へたれの怖怖日記 -32ページ目

へたれの怖怖日記

怖いのほんと苦手なのに、怖い話が大好きという
矛盾に苦しむへたれ男児のつらつら日記です。

クラスメートの藤原君は常におかしい。

そんな彼と昨日病院に行ってきた。ヒロミちゃんが怪我で

入院していたのでお見舞いに行ったのだ。決して藤原君が

おかしいから精神病院に言ったわけではない。

学校が終わってから行ってきたので、面会時間ギリギリだった。

俺らは他愛ない話をし、来週には退院するというヒロミちゃんに

安堵しながら帰ろうとした。

 

そのとき、

「ねえ佐倉、せっかくだから探検しよう」

と、藤原君があり得ないことを抜かしてきた。

もちろん俺は断固拒否した。

すると珍しく藤原君は引き下がり、

「なら僕だけで行ってくるよ。ヒロと浮気すんなよ?」

と、さっさと病室を出て行った。

 

意外な展開に拍子抜けしたが、有り難いことこの上なかったので

俺はお菓子を食べながら藤原君の帰りを待っていた。

しかし、いつまでも藤原君は帰って来ない。面会時間ももう終わるし

だいぶ心配になってきた。そこで、優しい俺は藤原君を探しに、

恐る恐る夜の病院を歩き回ることにした。

「ふーじわーらー出てこーい」

 

小さな声で廊下でさりげなく藤原君を呼ぶが、やはり藤原君はいない。

真ん中まで進んだあたりで行き止まりになり、仕方なく俺は仕方なく

引き返そうとしたが、

「誰か探してるの?」

 

と、後ろから声を掛けられた。

振り返ると、看護婦さんがいた。

「はい、友達が迷子になったみた」

そこまで言って、おかしいと思った。

 

俺の後ろは行き止まり。もちろん誰ともすれ違ってないし、ドアもない。

じゃあこのひと、どっから来たんだ?途端に怖くなって俺はダッシュした。

後ろから走る足音が聞こえる。

「廊ー下は走らーないでねー!」

 

声も聞こえる。追いかけてきている。怖くなって無我夢中で走った。

そのとき、

「何やってんの貴様」

藤原君が現われた。人の心配をよそにケロリとした様子だった。

「かかかかか看護婦があああ」

半泣きで説明するが、藤原君は相手にもしてくれず、

「あのさあ。人のことどうこう言ったり余計な世話焼く前に、

その甘ったれた根性なんとかしろよ君は」

と、あきれたように言われた。

 

藤原君が心配だからじゃん!と頭に来て言い返すが、

「ホント頭悪いね。君が何もしなくても僕は僕で好きにやってんだから、

余計なお世話だよ」

と言われた。

そりゃそうだ、と思った。

 

仕方なく俺は藤原君と病室に戻る。すると

「あ、もう面会終わりやってよ」

とヒロミちゃんに言われた。

ヒロミちゃんの横には、さっきの看護婦さんがいた。

ゆっくりゆっくり、看護婦さんが振り返る。

藤原君を放置して俺がダッシュで帰宅したのは言うまでもない。