侵入者 | へたれの怖怖日記

へたれの怖怖日記

怖いのほんと苦手なのに、怖い話が大好きという
矛盾に苦しむへたれ男児のつらつら日記です。

この前、同棲している彼氏が飲み会で遅くなるかもと言うので寝ないで待っていました。

しかし深夜二時を過ぎても帰らないし、携帯はどうやら充電切れの様子。

終電までには帰るって言ったくせに……!

 

むかついたので先に寝ることにしました。布団で目を瞑り

「あー、もう少しで寝れそう」って時に玄関の鍵が開く音がしました。

「今頃帰って来やがって!」

 

私はそのまま寝たふりを決め込むことにしました。電気をつけないまま

ゴソゴソと衣擦れの音がしました。荒い呼吸からアルコールとタバコの

匂いが伝わり、私はますますイライラしました。彼は酔って帰るといつも

求めてくるのですが、今日は絶対断ろうと思っていました。

ギシ、という音とベッドの足元の辺りが沈み、彼が入ってこようとしてるのが

わかりました。そして彼が私の上によつんばいの形になった時、気付きました。

この人、誰……?

私の彼氏はアンガールズ並にガリガリです。その時私に触れていた肌は

ひんやりとやわらかい贅肉の感触がありました。恐る恐る目を開けると、

見たこともない四〇前後の太った男が、テーブルの上に置いてたハサミを

くわえて、私を睨んでいました。

 

 

 

 

全裸で。

「あ゙ーーーーー!!」

悲鳴を上げようとしたのですが声になりません。私は必死にもがいて

どうにかベッドから転がり落ち、十二月の寒い中、部屋着のまま

裸足で外に飛びだしました。アパートの玄関辺りで帰ってきた彼氏と

はちあいました。

 

パニックで上手く声がでませんでしたがなんとか状況を説明しました。

二人で部屋に戻ると、そこにはもう誰もいませんでした。フローリングの

床が水浸しで、台所の食器に赤っぽいものがついていました。

その後はしばらくホテル暮しをして、少し離れたアパートに引っ越しました。

それにしても、男がどこから鍵を手に入れたのか今だにわかりません。

スムーズに開いていたので、ピッキングとかではないと思います。

置き鍵とかも一切してないし、彼と私の分しか合い鍵はありません。

新築だったので、私たちの前には誰も住んでいないはずですし……

それからはアパートの大家さんに断って、四ヵ月に一回ぐらいで

鍵を付け替えています……