
『人口論』マルサス著、佐藤悦則訳、2011年光文社
(何の抑制もない状態ならば)人口は等比級数的に増加するが、食糧生産は等差級数的にしか増加しないので、人口の増加に食糧生産が追いつかない状態に近い将来陥るわけだが、どうするの?
こんな内容であるが、この程度のことは高校政治経済の教科書や参考書にも書いてある。
さららに、男女の性欲は抑えられない。ということもマルサスは言っているが、これは教科書には書けないのかなw
こうして本を読んでみると、彼の説は非常に説得力があるように思えるが、マルサス以後100年間で人類は等比級数的に増えてはいないはずなので、非常に極端な仮説に立っている、とは言えるだろう。
しかし、彼の言う通り、貧困者に金を支給しても、物価が上がれば何の意味もないわけで、市場への供給量を増やさなければ根本的な解決にならないのはその通りであろう。
紙面が、ウィリアム・ゴドウィンやコンドルセに対する批判・反論で多く割かれているので、彼らの主張に接してから本書を読んだ方が、理解が深まったかと思う。
彼らの説が流行していた当時のイギリスにおいては、タイムリーだったのだろう。
最後に…
「中国では~中略~年老いて体が不自由になった両親の扶養は息子の義務であると法が定めている。こういう法律をわが国も取り入れるべきであろうか。私はそこまで言うつもりはない。しかし、貧しければ社会に依存するのが当然だとする積極的な制度によって、人間がもっともまっとうに生きるために備えておくべき恥の感情が弱まっていくのは、どう見ても大きな間違いだと思われる」本書pp.78-79
最近問題になっている生活保護制度を思い起こさせる一説で、少し考え込んでしまいました。
ウーム…