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Memo

2015 Jan


今年2015年は史上最大の金融バブルがはじける1年となるはずです。

日本銀行で270兆円以上、ECBで2兆1500億ユーロ(310兆円)以上もの
あり得ない程の(まさに異次元緩和と言われる)金融緩和を日本もヨーロッパも行い、
ヨーロッパはほぼ0%成長しか出来なかったのが2014年だったのです。

日本は2四半期連続のマイナス成長となり、このままいけば
2014年度はマイナス成長となり完全にリセッション入りと言われていますが、
では世界は更なる金融緩和をするのでしょうか?


日本は更なる緩和をして株式を更に買うとも言われていますが、
それで経済(GDP)が上向く筈もなく、却って中央銀行のバランスシートを毀損させるだけであり、
事実上日本の格付けを下げる作用をすることになります。

今の日本の格付けは中国・韓国より下回っていますが、
さらに下げられれば日本は先進国格付けから転落することにもなりますが、
それでも日銀等の官側の徹底した国債買い入れで国債バブルを膨らませようとするのでしょうが、
世界経済は原油・天然ガス暴落もあり、今やギリギリの瀬戸際にまで来ていると言え、
いつまでも支えることは出来ません。

日銀は本来なら100兆円位が丁度よいバランスシートですが
今やその2.5倍以上の規模に膨らませており、風船の限界を探るように日々膨らませています。
限界を超えた時、風船は破裂しますが、その時に一体何が起こるでしょうか?


日本だけでなく、ECBもギリシャの問題があり、金融緩和を更にすると言われていますが、
これ以上金融緩和をしましても経済を持ち上げることは出来ず、
副作用として制御できないインフレに陥るのではないかとの見方がドイツにはあり、
ECB内で意見対立が見られると言われています。
日本もECBも300兆円もの金融緩和をして株式・国債・不動産バブルを作ったものの
実態経済には何らの好影響を与えることが出来なかったことをもっと真剣に考える必要があります。

リセッション入りして今後日銀は更に300兆円もの金融緩和をするのでしょうか?

更に金融緩和をして日銀は国債の徹底した買い占めを行えば金融機関はパニックになります。
国債での運用が出来なくなるからです。
特に中小の金融機関は大企業向け融資がありませんから資金の運用が出来なくなり、
逆ざやとなり経営出来ない事態に陥ります。


メガバンクでも安全と思っている大企業向け融資でも資源価格暴落を受けて
大企業が経営危機に陥ることもあり得、安泰ではありません。

世界経済が今や逆回転しはじめている中、アベノミクスの幻想にひたっている日本は
最大の打撃を受ける一年になるかも知れません。


脳内にセロトニンが発見されたとき、最初は、小腸で作られたものが血液を介して
脳に入ったものと考えられた。しかし、すぐに、
セロトニンは脳血液関門を通過しないことが分かった。
脳のセロトニンは神経細胞がトリプトファンというアミノ酸から合成しているのである。
 
脳でセロトニンを作る神経細胞の数は数十万といわれ、
大脳と脊髄を結ぶ脳幹の縫線核とよばれる部分に集まっている。
これらの神経は、軸索とよばれる長い神経繊維を大脳皮質や小脳、
さらに辺縁系や延髄、脊髄などへのばし、セロトニンを神経伝達物質として用いて、
刺激を他の広域の神経細胞へと伝えている。

神経には興奮性のものと抑制性のものがあって、
丁度、車がアクセルとブレーキで思い通りに動くように、
その二つの働きのバランスで神経活動を正常に機能させている。セロトニン神経は抑制性の神経で、
興奮性の神経の働きをセーブしたり時には助けたりしている。

セロトニン神経は非常に多くの生理機能、精神機能に影響をあたえている。
セロトニンの産生が充分でなかったり、分泌の機構がうまく機能しないと刺激が充分に伝えられず、
抑制性神経と興奮性神経の働きのバランスが崩れる。その結果、からだに様々な不調が生じてくる。

温度や湿度などの物理的ストレス、さまざまな肉体的過労や精神的心労などがあると、
こうした神経の働きのバランスが崩されるきっかけとなる。
たとえば、小腸のセロトニンの働きが低下して神経のバランスが崩れると、
平滑筋の運動に障害が起こって、突然ひどい腹痛を起こしたりする。
こんな時、病院で繰り返し検査をうけても異常は何も見つからない。
で、「どこも悪くない」といわれて患者は混乱する。

血液中のセロトニンの機能が落ちると、血管に攣縮(れんしゅく)が起こる。
心臓の冠動脈に攣縮が起これば狭心症のような症状が、脳の動脈で起これば脳梗塞のような症状が生じる。
動脈硬化による狭心症や脳梗塞と違うので医師たちは戸惑う。逆に、脳の血管に拡張が起こると、
ひどい偏頭痛となる。

中枢神経でセロトニン神経の働きが低下すると、生存に必要な基本的

中枢神経でセロトニン神経の働きが低下すると、生存に必要な基本的な機能、
すなわち呼吸、心拍、血圧、体温、痛み、温感、睡眠、摂食など、さまざまな生理機能に障害が生じる。
自律神経にも障害が起こる。

その結果、ストレスの後、息苦しくなったり、血圧が著しく変動したり、動悸がひどくなったり、
微熱が続いたりする。原因不明の疼痛に長いあいだ苦しめられたりもする。
睡眠も混乱して何日も眠りこけたり、長期間、食欲を全く失ったりもする。

内臓を支配している自律神経にも障害が起こるから、そのせいでさらにさまざまな症状が現れる。
吐き気に悩まされたり、嘔吐を繰り返したり、嚥下困難になったり、排便や排尿にも障害がでる。

セロトニン神経は辺縁系にものびている。辺縁系には情動や記憶を司る領域があるから、
セロトニン神経の働きが低下すると感情や情緒、記憶にも障害が現れる。
抑うつ的で些細なことで落ち込んだり、不安を感じたり、パニックになったりする。
そして、うつ病になったりする。

こうしたさまざまな、からだの不調や障害、疾病は、受けたストレスの種類によって現れ方が異なる。
また、体質的に弱いところがあったり、ストレスを受けた時に調子の悪いところがあると、そこにでてくる。


それにしても、たった一種類のセロトニン分子の働きが、このように、
さまざまな心身の状態に影響を及ぼすのは、なぜだろうか。
一つには、セロトニンの刺激を受けとる受容体の種類が多いためだ。
セロトニン受容体は14種類もあって、それらがセロトニンと結びつくと、
それぞれ違った効果を組織や器官に伝えることになる。

たとえば、受容体 5-HT2、5-HT1B は主に中枢神経にあって、ここにセロトニンが結びつくと、
不安や抑うつ状態が誘起される。受容体 5-HT1D に結びつくと偏頭痛が、5-HT3 では嘔吐が起こる。
神経の終末にある 5-HT1B、5-HT1D にセロトニンが結びつくと、セロトニンの産生、分泌が抑制される。
これらの受容体はセロトニンが過剰にならないよう負のフィードバックをかけているのだ。

からだの機構は複雑である。思いもよらぬ原因で、からだに深刻な不調や疾病が起こる。
前述のような、さまざまな不調があって、どこの病院で検査しても、その原因が分からない時には、
セロトニン神経の機能障害を疑った方がよいかもしれない。

近年、セロトニンの受容体への働きを高めて、不安やうつ状態を改善する薬が開発された。
SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)とよばれている。
それまで使用されていた三環系抗うつ剤に比べて副作用が少ないため現在、広く使われている。

使用してみると、SSRIはうつ病だけでなく、不安神経症やパニック障害にもよく効くことが分かった。
さらに、それ以外にも、予期しなかったさまざまな病気に効く。
摂食障害や多動障害、不眠症や慢性疼痛、嘔吐、嚥下困難、夜尿症などである。
このことは、からだの生理機能、精神機能にセロトニンがいかに広く関わっているかを教えてくれる。

しばらく前から、アメリカでプロザックという商品名のSSRIが使われ始めた。
プロザックは、うつ病のような疾病だけでなく、落ち着いて授業を受けられない多動性の子供たちや、
競争社会から落ちこぼれたビジネスマンたちに元気を与える「奇跡の薬」として話題となった。
そして、次に、当然ながら、その副作用が問題となった
(日本ではパキシル、デプロメールなどの商品名のSSRIが販売されている)。

SSRIを長期間服用すると、セロトニンの活性レベルが上がって、セロトニン症候群とよばれる症状が生ずる。

幻覚が現れたり意識の混乱が起こったりする。筋肉が硬直したり痙攣したりもする。
セロトニンの活性が低い時と同じように、吐き気や発汗も起こる。
しかし、一番の問題は自殺率が上がることだ。そのため現在は子供への使用は禁じられている。
セロトニンの活性は低すぎてもいけないが、高すぎてもいけないのだ。

チューインガムとセロトニン

もう一度、チューインガムの話に戻ろう。ガムを噛むとセロトニンの産生、分泌が高まって、
不安や緊張が軽減されると述べた。研究によると、セロトニンはリズミカルな運動によって産生、
分泌が促されるという。ウォーキングやジョギングなどは手足をリズミカルに動かすから、
セロトニンの分泌が促進され、神経の働きのバランスがよく保たれる。

リズミカルな運動は手足に限らない。手の指でもよいし、顎でもよい。咀嚼は顎をリズミカルに動かす。
しかし、食事どき以外に顎をリズミカルに動かすには、ガムでも噛まなければならない。
ガムを噛むとセロトニンの産生、分泌が促進されて気持ちが落ち着くことになるのだ。
緊張や不安を感じる時、人がしきりにガムを噛むのは多分、このためだろう
(ついでに言えば、セロトニンの産生、分泌は明るい光に当たると促進されるという。
セロトニン合成の材料となるトリプトファンをたくさん含む食事をしてもよい)。

けれども、本当に、スポーツ選手たちは緊張と不安を解消するためにガムを噛んでいるのだろうか。
本当に、ガムを噛めば、緊張や不安が緩和されるのだろうか。
ガムを噛んでいる選手たちに、ぜひ訊いてみたい。

もちろん、ガムを噛む人たちの大半は、別にストレス解消のために噛んでいるのではない。
このことは、よく知っている。

でも、人は大抵、独断と偏見でものを考える。