
2005・3・28
人と話すのが基本な仕事の関係上、とても色々な人と接します。中には常識を逸脱した方もたくさん居られます(何をもって常識とするかについてはまた今度)。
当然、色々な感情が浮かび上がるわけです。しかしソノ感情は人によって千差万別。例えば、Aさんに対して、寡黙だけど優しい人と思う人もいれば、無愛想で頼りない人、と捉える人もいるでしょう。
そのことについて。
「あなたの隣にいる人はどんなひとですか?」と聞かれれば、優しい人とか、怒りっぽい人とか、いろんなふうに答えますよね~。そんなふうに、あの人はこんな人と判断することを「対人認知」というんですわ。
あの人は優しい人だと判断するのは、判断するだけの何かの材料はあるのでしょうが、でもその人の全てを知っているわけではありません。「優しい」という心の中を実際には見られないのはもちろん、その人の行なったこと全てを見て、優しい人だと判断しているわけではありません。
私たちは、対象者の全てを知っているわけではなく、実際に見たり、ウワサに聞いたりした、その人のごく一部を知っているだけです。でも、そのごく一部のバラバラの知識をつなぎあわせて、その人の全体像を、自分の中で組み立てます。あの人は、優しい人だとか、意地悪な人だとか、結論づけるのだと思います。
つまりは考古学者が、土器の破片を集めて、元の形を想像しながら組み立てるようなものです。特別な心のレンズを使って、バラバラの情報を集め、焦点を合わせて、一人の人の人間像を浮かび上がらせるのです。ですが、この心のレンズは、いつも少し歪んでいたり、色が付いています。私たちは、その人についてのいくつかの知識を客観的に組み立てるというよりも、自分なりに組み立て上げてしまうんです。心のレンズの歪みは、その人独自のものもありますし、多くのにとが共通して持っている歪みもあります。
人を判断するとき、まず見るのが外見ですね。学生時に読んだ文献に載ってましたが、公衆電話のコインの返却口にわざと10円硬貨を置いたまま、次の利用者と替わります。そして、その人が出てきたときに、「10円がありませんでしたか?」と聞きます。このとき、同じ人が、同じことを言うのですが、服装を変えます。立派なスーツか、みすぼらしい服か。すると、高価なスーツを着ていたときの方が、10円を返してもらえたのです。
服装の違いによって、正直な人、依頼に応じるべき人というふうに、判断してしまったわけですね~。服で人を判断するなんて、情けナイ話ですが、でも多くの人間は相手の服装によって対人認知の内容が変わってしまうものなのです。恥かしい話、私も間々あります・・・。イケナイイケナイと思いますが。
また、丸顔の人、ふっくらした人は、やさしい。目の細い人は冷たい。やせている人は神経質。私たちは、相手の外見から直感的に、あいての内面を判断してしまいます。もちろん実際は、ふっくらしていても、やせていても、いろいろな人がいるわけですが、でも私たちは外見からある性格を感じ取ってしまうのです。そこで、ドラマやアニメではこの人間の認知の仕方を利用したキャラクター作りをしています。明るくて人情味あふれる登場人物は、たいていふっくらとした体形です。冷静なインテリなどは、細長い体形で、メガネをかけたりしています。マンガに登場する殺し屋のゴルゴ13は、細い目に、太い眉で、見るからに冷静で意志の強い感じがします。
外見が美しいと、内面も優れていると判断されます。美人は、頭もいいし、性格もいいと思われてしまうのです。みんなが息を飲むほどのすごい美人の転校生、OL注目の二枚目新入社員。こんなすばらしい容姿の人を見ると、私たちは、その人がやさしくてさわやかな性格で、頭が良くて、英会話なんかもペラペラだし、スポーツや楽器が得意で、勉強ができる、仕事ができるというイメージをすぐに作り上げてしまいます。小さな子どもでも、容姿の良い子どもは、内面も良いと見られがちです。
外見や、最初の自己紹介などで、「第一印象」ができあがります。いったん、第一印象ができあがると、次からは、この第一印象に合わせた対人認知が始まります。一度、良い人だと思い込めば、その人の良いことばかりが目に付きますし、いろいろなことを良い方向に解釈します。最初に悪い人だと思い込んでしまえば、その反対のことが起ります。
良い人だと判断してしまえば、その判断と矛盾する証拠や考えは不愉快なので、良い人だと思える証拠をさらに集め、またさまざまな情報を良いこととして解釈するようになります。廊下であいさつをしたのに、相手がそのまま通りすぎた場合はどうでしょう。相手を良い人だと思っていれば、気がつかなかったのかななどと考えます。嫌なやつだと思っていれば、オレを無視したなどと考えるでしょう。
嫌な人間だと思っている人を思い浮かべてみた時、なぜそう思うのかを考えてみる。それは、アイツが嫌な人間だからだ。そうかもしれない。でも、もしかしたら、嫌な人間だと自分が思い込んでいるだけなのかもしれません。
大体、自分を振り返ってみると、「私は内気でいいかげんな男」と思っていますが、女の子に「へるすけさんってなんだか母性本能をくすぐるタイプねぇ、好き!」と言われる事は・・・無いにしても、自分への認知ですら、他人とはかけ離れている(自分にとっては、誤解を与えている)事も多々ありますから、他人を、イイ奴だ・悪い奴だなんて、あんまり言えないのかもしれません。
まぁ、その人の本質がどうであれ、嫌いな人は嫌いですけどね。それでいいと思います。
仕事でストレスが溜まっていたり、嫌いな人と会う前の、ココロの解決法の一つとして、上記のように嫌になる気持ちを自己分析しておけば、自然と和らぐんですよね~。
しかし、昨日のキレイな画像とはえらいちがいですな。