歯にレンズ埋め移植手術、

      視力回復 シドニーの眼科病院

 

 

 

自分の歯にレンズを埋め込み、移植して視力を回復――。

こんな珍しい手術が、オーストラリア・シドニーの眼科病院で行われた。

 

 

 

手術を受けた2人は、ほとんど物が見えない状態から視力が回復したという。

地元紙サンデーテレグラフが16日、伝えた。

 

 

 

 同紙によると、手術は、角膜の障害が原因で視力を失った人たちが対象。

 

豪南東部ゴールバーン在住の男性、ジョン・イングスさん(72)と

北東部ケアンズの女性レオニー・ガレットさん(50)の2人が受けた。

 

 

 手術では、最初に2人の歯を抜いて穴を開け、プラスチック製のレンズを埋め込んだ。

その歯をほおの内側に縫い付け、3カ月ほどして歯が、抜かれる前のように

自ら組織を作ることができるようになった時点で眼球に移植。

 

自分の歯を使うため、移植に伴う拒絶反応は起こらず、2人の視力は復活した。

 

 

 イングスさんは「手術前には、もう何も見えなくなってしまうのだろうと思っていた」

と同紙に語った。

 

 

同種の手術は南半球では初めて。欧米では手術例があり、

主治医の2人は、2004年以降に数件の手術が行われたドイツで学んだ。

 

 

09年には米国での初めての手術が報道されている

 

 

 

朝日新聞 

シドニー=小暮哲夫

2017年4月16日18時22分