童謡は童心性を基調として、真、善、美の上に立つてゐる芸術であります。  童謡の本質は知識の芸術ではありません、童謡が直(すぐ)に児童と握手の出来るのも知識の芸術でないからであります。  童謡が児童の生活に一致し、真、善、美の上に立つて情操陶冶の教育と一致するのも超知識的であるからであります。  本書は大正九年に発行した第一童謡集『十五夜お月夜さん』以後の作中からセレクトした第二童謡集であります。