※※ この本を読んで一言 ※※
京都を舞台にした独特な作品です。
ミステリ作品(?)と言えなくもないです(汗)。
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円居挽さんの作品を読むのは初めてです。
なぜこの作品を買ったのか全然覚えていませんが、きっとインターネットで面白そうなミステリ小説を探しているときに見つけたのでしょう。
最初の「朱雀の女よ」では、論語とルージュの小難しく機知に富んだ言葉の応酬や騙しあいに、ちょっとゲンナリしました。
論語は絶世の美少年かつ天才的頭脳の持ち主、そして論語と互角に渡り合えるルージュが出てきた時にこれはキャラ小説かと思いました。
読み進めていくとキャラ小説というのも当たらずとも遠からずで、主要キャラクターが軒並みマンガ的です。
しかも舞台も双龍会というよく分からない昔の貴族の遊びのような私的裁判制度(?)で、相手を言葉巧みに貶めた方が勝ちという、推理小説での「探偵同士の推理合戦」が形を変えて双龍会という場で行われています。
この作品は、ミステリ小説としてはこれでもかと言わんばかりにいろいろな要素が詰め込まれています。
流が女だったことには驚きましたが、撫子が大和に扮して男装していたと判明した時はまたかと思いました。
ルージュの正体は落花→葵→撫子と変遷しましたが、これも何回やるんだと言う気になります。
きっとどんでん返しがやりたいのでしょう。
しかしそのせいで物語が散逸しているように思います。
そしてメインの双龍会での応酬は、茶番を見せられているような気分になります。
現代において双龍会があったとして、それで勝った負けたと言っている人がいたら、それは生まれながらの貴族か、もしくは上流国民なのでしょう。
登場人物にしても達也や論語のような天才キャラや落花のようなミステリアスで何でもできる美女を出さなくてもいいのではと思います。
小説とは言え現実感がなさすぎです。
それに比べ、常に天才たちと自分の間にある超えられない壁に悩む流が一番親近感がわきました。
あとは京都らしさをあまり感じられません。
ちなみに巻末で麻耶雄嵩さんが解説をされています。
京都大学の推理小説研究会繋がりでしょうか。
その解説において、どこか他人行儀で作品を手放しで誉めている様子ではないと感じるのは私だけなのでしょうか。
それとも麻耶さんがツンデレで後輩を表立って誉めるのが照れくさいのでしょうか(笑)。
円居さんは他にも多くの著書があるので、他の作品も読んでみたいです。
(個人的評価)
面白さ ☆☆
登場人物 ☆
ミステリ ☆☆☆☆
言葉選び ☆☆☆☆☆