※※ この本を読んで一言 ※※

前作の「屍人荘の殺人」の続編なのでどうしても期待が大きくなってしまいますね。

そしてこの作品は良くも悪くも正統派のミステリでした。

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屍人荘の殺人」を読み終わった直後から気になっていた「魔眼の匣の殺人」をついに読む時が来ました。

 

私にしてみれば葉村と比留子の活躍や斑目機関の実態が明るみになるよりも、「屍人荘の殺人」のようにどんな「びっくりな事!!」が起こるのかが楽しみで読み始めました。

 

きっと私と同じような心境で「魔眼の匣の殺人」を読み始めた人もいるのではないでしょうか。

 

結果は・・正統派ミステリでした(笑)。

特に前作のようなびっくり要素はなかったです。

序盤から斑目機関による超能力研究所が舞台で、予言がメインと分かっていましたからね。

 

しかし物語が進むにつれて、前に記述された内容が後半に生きてくるというミステリとしての”新事実発覚!”が続くので、そういう意味では驚きの連続でした。

久しぶりに記述を無駄にしない正統派な作品に出合えた気がします。

 

ふと思ったのは「予言は決定事項で絶対実現する。予言は覆せない。」を逆手に取った展開って他のミステリにもありそうな気がしますが、どうなんでしょうか?

私は麻耶雄嵩さんの「さよなら神様」がそれに近いかな~と思いましたが・・ちょっと違いますね。

なんにしても私には新鮮な驚きでした。

 

ところでこの物語の世界にはゾンビや予言の他にも「呪い」も実在するようですね。

王子は死んではいませんが、身の破滅に至ったのも呪いの効果なのでしょう。

 

この作品のあとには「兇人邸の殺人」があるので、そのうち読んでみます。

どんな展開になるのか楽しみです。

 

(個人的評価)

面白さ   ☆☆☆

トリック  ☆☆☆☆

展開    ☆☆☆

前作と比較 ☆☆