※※ この本を読んで一言 ※※

読者を惹きつける謎、読みやすい文章、魅力的なメインキャラクターなど、見所がたくさんある、まさに本格推理小説のお手本と思えるような作品でした。

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私のミステリ小説の読書歴は5年で約300冊と多くはありませんが、それなりに有名な作家の作品を読んできたつもりです。

 

しかしある時、有栖川有栖さんの作品を読んだ事がない事に気が付きました(汗)。

これだけ有名な作家なのに読んでいないのはもったいないと思い、まずは「46番目の密室」を購入し読んでみることにしました。

 

読み終わって・・これは面白かったです!

正統派新本格ミステリを久しぶりに読んだ気分です。

 

やはり正統派はいつの時代も面白いという事ですね。

 

なにより印象に残るのは、火村と有栖川のホームズ&ワトソンの関係が絶妙なことです。

火村も有栖川も違う個性があり、それでいてそれぞれが嫌味のない大人の男性です。

そして二人が揃うと相棒を越えた「戦友」的な関係となり、二人の掛け合いがとてもかっこいいです。

 

また2つ登場する密室トリックも玄人からすると肩透かしなのかもしれませんが、地下室の「石町が意図せず、真壁が密室にしてしまった」は私は全然気が付かなかったので驚きでした。

 

特に書斎がテグスとテープで簡単にできる密室だったので、地下室との対比がより際立ったと思います。

 

石町の犯行の原因は真壁との男色を断ち切るというのは、ラストの謎解きで急に出てきた感がありましたが、序盤で石町に「男娼」の言葉を語らせていたのが伏線であったというのも驚きです。

 

「密室殺人」というのは現実にはあり得ないと思いますし、推理小説において散々ネタにされアイデアは出し尽くされたようですが、それでも「密室」はまだまだ人を惹きつける何かがあるのだな~と感じました。

 

ここからはどうでもいい雑感を少々書いていきます(笑)。

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この作品において、大御所作家である真壁は女遊びは言うに及ばず(汗)、男遊びもしています。

こういう事を作品で書くと「じゃあ有栖川さんはどうなんだ?」と言われそうですね。

 

また最近では大物芸人の性的強要や大手アイドル事務所の性被害もあります。

政治、芸能、スポーツ、音楽、文学、学術・・どの世界においても大物と呼ばれる人からの被害はなくならないものだなと実感します。

 

私は途中で犯人は光司だと思い、有栖川が「犯人は光司」と言った時は「当たった!!」と喜んでしまいましたが・・火村にあっさりと反論されてしまいました。

私は探偵に向いていないようです。

 

石町は諸田を急遽殺すことになって、書斎をテグスとテープを使用して密室を完成させたとのことだが、あまりにも急で、いくら予定外の殺人の後に簡単に密室を思い付き成功させる事ができるのか疑問です。

 

真壁を殺す計画は半年以上前から計画していたようなので、もしかしたら書斎の密室もある程度想定していたのかもしれません。

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最初に読んだ有栖川さんの作品が面白かったので、これから機会があればどんどん読んでいきたいです。

 

(個人的評価)

面白さ    ☆☆☆☆

登場人物   ☆☆☆☆☆

ストーリー  ☆☆☆☆☆

引き込まれ度 ☆☆☆☆☆