※※ この本を読んで一言 ※※
久しぶりに読んだ連続殺人&探偵により事件を解決をするミステリ小説です。
思うところはありますが、やはり”ミステリはこうでなくては!”と思わせる面白い作品でした。
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鮎川哲也さんの作品は「黒いトランク」しか読んだ事がありませんが、昭和の中期から後期の雰囲気を味わうことができ、またミステリ小説としても緻密なトリックで驚かせてくれるイメージがあります。
そしてこの「りら荘事件」を読んでみると、イメージと違わぬまさに”古き良きミステリ”として面白く読むことができました。
次々に起こる殺人事件の真相が全く分からないまま終盤を迎え、星影の推理により真相が明かされていく様はまさに圧巻!
トリックも相変わらずよく練られており、最初の須田は殺人ではなく事故死、松平と橘は殺されて時間が実は橘の方が先だったなど、驚きの連続でした。
ただミステリとしてご都合も多い気がするのはご愛嬌ことで(笑)。
その一つに色盲というのはミステリにおいて、ちょくちょく使われる都合のいい設定な気がします。
ご都合とは少し違うかもしれませんが、この作品における警察は間抜けと言われても仕方がないくらい無能です。
安孫子の逮捕は、素人ながら、証拠もないのに逮捕して大丈夫かと思ったくらいです。
昔の警察はそうだったかもしれませんが、現代の警察はこうではないと願っています。
砒素に皮膚の漂白作用があるとは知りませんでしたし、ファウレル水というのを初めて知りました。
ファウレル水を飲み続けることで皮膚が白くなり、砒素に対して耐性が付くというのは本当なのでしょうか・・本当だとしてもまさに「体に毒」で寿命は確実に縮まることでしょう。
久しぶりに読んだ鮎川哲也さんの作品は面白いですね。これからも読み続けていきたいです。
(個人的評価)
面白さ ☆☆☆☆
驚き ☆☆☆☆
トリック ☆☆☆☆☆
登場人物 ☆☆