※※ この本を読んで一言 ※※

第三巻に入り、展開がだいぶ具体的になってきました。

1巻から続けて読み始めていると、まるで長期連載のシリーズ物の3巻目を読んでいるような気分になっています。

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「図書館の魔女」も第三巻に入り、マツリカが戦乱回避のために国を動かす動きに出ました。

第三巻ではマツリカの本領が発揮されつつも、左手が動かなくなるままになるピンチを迎えています。

果たしてこの先第4巻でマツリカの左手は元に戻るのか、一ノ谷とニザマの行方はどうなるのかなど楽しみです。

 

マツリカの活躍が多かった分、代わりにキリヒトの活躍は抑えられていました。

 

しかし私が第三巻で一番面白かったのは、キリヒトが群集の中で「胸騒ぎ」を感じ、得体が分からない中で警戒しているときの、『(中略)キリヒトは勘には頼りません。』のやり取りでマツリカが『そういうのを勘頼みって言うんだろう。』という、キリヒトにしては珍しく矛盾したことを言っていて、それをマツリカが冷静にツッコんだところです。

 

作中での大国や周辺国の趨勢や、その中で個性的なキャラクターの活躍は第四巻だけではとても収まりきらないのではと思いますが、どうやって物語を収束に向かわせるのかものすごく気になります。

 

「図書館の魔女」シリーズは、高田さんがその気になれば永遠に連載が続けられそうなくらい壮大なストーリーだと思うのですが・・物語の練り込みが半端ではないので、続編も同じクオリティを保つにはかなりの時間が必要になりそうですね。

 

さて第三巻も相変わらず物語の展開と関係があるのかないのか分からない記述が多いです。

偽書や魔道書の説明も長いですし、終盤のマツリカとニザマ帝との検閲や言論弾圧の議論も長いです。

これも4巻分の紙片があるから為せる業でしょうね。

 

書物の価値についてや、魔道書の類いの偽書、愚書、インチキだとマツリカが説明するところは、普段高田さんが思っていることなのでしょう。

 

残りの第四巻は600ページを超える大作なので心して読もうと思います(笑)。

 

(個人的評価)

面白さ   ☆☆☆

登場人物  ☆☆☆☆☆

緊迫度   ☆☆☆☆

ストーリー ☆☆☆☆☆