※※ この本を読んで一言 ※※

ジャパニーズホラーの参考書のような作品。

でもある意味その「王道」が面白かったです。

ジャパニーズホラーを読んだという満足感があります。

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私の毎年恒例の夏の読書のイベント【ホラー作品を読む】の季節がやってきました(笑)。

今年も近所の本屋さんには夏限定の「ホラー特集」のコーナーができていたので見に行きました。

 

しかし今年は買おうと思う作品は無く、ネットで面白そうなホラー物を注文しました。

それが最東対地さんの「夜葬」です。

 

そして読み始めました。

読み終わって、思いついた感想がホラー物あるあるだな~というものです(汗)。

 

ホラー物はパターンが出尽くしてしまっている感があるので、どうしても「これどこかで見たな~」という展開が出てきます。

類似点をあげたらかなりあるでしょう。

私はこの作品のオリジナルは「幽霊がナビを駆使して追い詰める」事だと思っていますが、これももしかしたらすでに別の作家さんが使用しているかもしれません。

 

しかしホラー物を年イチでしか読まない私にはその「王道パターン」が逆に安心します。

そしてこの作品は敢えてジャパニーズホラーの王道に挑戦しようとしたのではないでしょうか。

 

人によっては陳腐と感じるかもしれませんが、私はこの作品から適度な緊迫感と恐怖を感じましたし、どう謎が解決させるのかを楽しみにしながら読んでいました。

結果はというと・・とにかく一応強引にオチをつけて、謎が謎のまま終わり何も解決していない・・これぞまさにジャパニーズホラー。

 

ツッコミどころが満載こそジャパニーズホラーの神髄だと思っています。

スマホさえも操りあらゆる物理法則を無視する万能の幽霊・・面白くていいじゃないですか(笑)。

 

この作品は2016年に刊行され、スマホ、ナビ、SNS、動画配信による心霊スポット巡りなどここ近年のアイテムやエンターテイメントが登場しています。

 

これは日向奈くららさんの「 私のクラスの生徒が、一晩で24人死にました。 」の感想でも書きましたが、こういう新しい事柄が出てくる作品を10年、20年後に読んだときに古臭く感じるのかもしれませんね。

 

さてここから物語に沿った個別の感想です。

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最初の被害者が死んでいく描写はホラー物の定番「あ~・・この人に死亡フラグが立っちゃったね」というのを感じ、思わずニヤリです(笑)。

そして最初の被害者の殺され方が結構リアルに描写されていたので、グロ系も兼ねた物語かと思いましたが・・最初だけ丁寧に描いたようで、それからはみんなあっさり死んでます。

 

幽霊が次の被害者に本を届けるために、自転車のかごにいれたり鞄に入れたりと、気が付かないようにこっそり届けているのは、何か律儀で笑えますね。

 

ナビ機能を使って被害者に知らせるように近づく手法は、「もしもし、私リカちゃん」という都市伝説を思い浮かべます。

この作品はリカちゃんの別バージョンですね。

 

作中に『・・警察には昼まで缶詰・・』という記述があり、これって誤りだと思っていました。正しくは「館詰」と思いネットで調べたら「缶詰」でも誤りではないようですね。

勉強になりました。

 

出ました!

「手がかりを探すため関係者の所に赴き、そこのパソコンを調査して都合よく手がかりとなるファイルが見つかる」

ホラー物あるあるです(笑)。

( ̄△ ̄;)(≧△≦)( ̄△ ̄;)(≧△≦)

 

さてこの夏も1冊はホラー物が読めて満足です。

 

(個人的評価)

面白さ ☆☆☆

怖さ  ☆☆

展開  ☆☆

王道  ☆☆☆☆☆