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インターネットでミステリー小説を探していたときに、この本の紹介で作者の折原一さんを「叙述トリックの名手」と書いていました。


名手であるなら、盛大に世界がひっくり返るだろうと期待してて買いました。

読んだ感想は・・私の作品に対しての理解が足らないせいか、驚く前に結局なんだったんだというのが正直な感想です。

白鳥の作品を山本が丸写しして、それを永島が盗作して、永島は欲に、山本は理不尽な復讐心にかられみんなそれぞれ精神が倒錯し・・そこから物語はロンドのように繰り返されるということなのでしょうか。

物語の中に作中作が入る入れ子状態なんですが、最終的にどれが物語でどれが現実がよく分からなくなってきます・・いえ、現実は最後に折原さん自身の体験から書かれた部分で、始めから終わりまでほぼ作中作であると理解しましたが・・

作中作の中とはいえ、最初から狂っていた山本や永島がどうなろうとなんとも思いませんが、友情のためにがんばったのに、永島に勘違いで殺された城戸と、白鳥の彼女であったがために殺された立花がかわいそうでなりません。
特に城戸は無駄な努力をした挙句に殺されたんですから。

折原さんの他の作品も読んでみたいです。

(個人的評価)
面白さ    ☆☆
驚き     ☆☆
叙述トリック ☆☆☆

狂気度    ☆☆☆☆