誉田哲也さんの本はこれで3作品目(ストロベリーナイトとジウ(ⅠⅡⅢ))になります。
貸してもらって読みました。

 

2ヶ月くらい前に読んだ本であるので、記憶があやふやなのですが記憶を絞り出して書きます。

 

 

物語のテイストはストロベリーナイトやジウとはだいぶ違いました。

 

警察が主人公でない事がその違いの原因でしょう。

 

この物語の静加は今まで読んだ誉田さんの本の女性主人公の中では、私はかなり好きです。

 

 

得体の知れない女ではありますが、不遇な環境の中でも生きてきて「暴力を否定も肯定もしない」と言い切る生き方は悲しくも強く生きる決意の表れなのだと思います。

 

 

性根は優しい人間であるので、最後に妹の子どもをかばって死ぬのは彼女らしいと言えるのではないでしょうか。

 

 

ちなみにこの物語に出てくる警察は全体的に無能です。

 

地域課の警察官が最初の殺人でかばったりしなければ静加も捕まったでしょうから、そしたらその後の事件もは起きなかったかもしれません。

 

最悪なのは生活安全の警察官で、身の危険を感じ相談に来た女性に対して何も対処せずその後に強姦被害に遭わせてしまうとは酷すぎます。

 

 

反対に元警察官の探偵は義理堅く有能であったため殺されてしまったのは不憫でなりません。

 

 

スカッとする話ではなく、大きな盛り上がりもありませんが、世の中に人生を翻弄された悲しい女性の物語でした。

 

 

(個人的評価)

 

静加の魅力  ☆☆☆
物語の暗さ  ☆☆☆
救いのなさ   ☆☆☆
警察の無能さ ☆☆☆☆☆