この本も十角館の殺人と同様、インターネットのサイトで「ミステリー小説 オススメ」でいろいろ検索したところ、オススメされることが多い本だったので購入しました。

 

読んで2ヶ月以上経過しているので、トリックとは内容がうろ覚えです。

「トリックと名探偵」の正統派本格ミステリーだけあって、雪の上の足跡とかはしごとか、死体のトリック、一枝殺しのトリックなどてんこ盛りでした。
しかもメインの死体のトリックは「金田一少年の事件簿」でもパクられるほどらしく、今となってはメジャーなトリックとなっているようですが、島田氏が元祖(?)だったとは知りませんでした。

昭和62年に単行本が発売されているので、全体的に文体とか雰囲気が少し古いかなと思いました。そしていきなり冒頭が「アゾート」の手記でしたから、訳が分からなくて読むのが大変です。
手記の後にはようやく探偵役の御手洗と助手役の石岡が出てくるのですが、石岡による事件の説明が延々と続くのでもう挫折しそうでした。

後半は御手洗と石岡の掛け合いは面白く、だんだん真相に迫っていくので一気に読めました。

それにしてもトリックは全然見破れませんでした。
ネタが分かればなるほど!っと思えるのですが、読んでる最中はわからないものですね。

ただし作品の中でも「現代の警察が捜査すればバレる」みたいな記述があったと思いますが、昔だから成立した殺人事件なんでしょう。
死体をばらばらにしたって今なら別人の死体があれば当然分かってしまうでしょうし、一枝殺しについても、物語の中で当時の新聞の写真が不鮮明だから時子と一枝の区別がつかなかったうっようなことを言ってますから。

話の途中に明治村が出てきます。愛知出身の私は名鉄に乗って明治村に行く記述は親近感がわきますが、このくだりは必要だったんでしょうか・・
物語の中では、石岡や御手洗は愛知だけでなくいろいろな土地に行って聞き込みや調査を行っていますが、その様子はさながらサスペンスドラマを思い起こさせます。

ところで40年前の事件を一人の天才が解き明かすというのは小説や漫画の中ではよくありそうな話ではありますが、現実にそういうことってあるんでしょうかね。
この物語の中でも事件発生から日本中の素人探偵たちが推理してきたとあり、そして警察も捜査してきたのに真相にたどり着けなかったってのも少々杜撰な気がします。
ただ御手洗は「竹越文次郎の手記」を手に入れたのでそれと過去の事実を合わせることにより真相にたどり着けたのだと思うと、警察が杜撰と言うことはいえないのかもしれません。

(個人的評価)
トリック   ☆☆☆☆
探偵の魅力  ☆☆
驚き     ☆☆☆

 

面白さ     ☆☆☆