以前、Amazon Audibleで多くの小説を読んでいると書いたことがありますが、今日までにおそらく150冊ほどは読んできたのではないでしょうか。
その大半は推理小説でした。しかし最近は少し傾向が変わってきています。
何が違うかというと、推理から怪奇物に移ってきたように感じます。
きっかけとなったのは、青崎有吾の『アンデッドガール・マーダーファルス』だったと思います。
そこでは多くの妖怪のような存在が主要登場人物として描かれており、一応は推理小説の形式を取っているものの、怪奇小説とも言えるような趣がありました。
さらに、赤ずきんシリーズや、日本の昔話を元にしたシリーズを書いた青柳碧人の作品を読むようになってから、その中に「怪談刑事」という作品があり、もともと怪談は怖いので苦手で読まなかったのですが、あまり怖くなさそうだったので読んでみたところ、やはり怪奇現象が存在することを前提とした物語でした。
また、江戸川乱歩の明智小五郎のファンだったこともあり、「明智恭介」という名前に惹かれて今村昌弘の作品を手に取りました。
『明智恭介の奔走』というタイトルの軽いミステリーで、ギャグも効いていて楽しめました。そこでこの作家の他の作品にも興味を持ち、デビュー作『屍人荘の殺人』を読んでみました。
ところがこの作品は思っていたほど軽いものではなく、ゾンビを題材にしたかなり重い作品で、殺人はもちろん、グロテスクな描写も含まれていました。
それでも続きの作品を読んでみようと思い、『魔眼の匣の殺人』や『兇人邸の殺人』などの続編も結局読んでしまいました。
推理というより冒険怪奇小説のような要素が強く、毒々しい雰囲気や恐怖を感じさせる作品群で、新鮮とも言える読書体験でした。
その後もAudibleにあるいろいろな作品を読み進め、別の作家の作品を探していると『准教授・高槻彰良の推察』というシリーズが目に入りました。
これも推理要素はあるものの、妖怪や怪奇現象を前提とした物語で、結局は怪談的な要素も多かったです。
しかしこれも楽しめたので、Audibleにある分はすべて読んでしまいました。
さらに、准教授シリーズを書いた澤村御影のデビュー作『憧れの作家は人間じゃありませんでした』というシリーズにも手を伸ばしました。
これも吸血鬼を題材にした作品で、推理要素もあるが冒険活劇的な妖怪ものとも言える内容でした。
准教授シリーズも作家シリーズもドラマになってるとのことですが、今のところ、小説のイメージが壊れたらイヤなので、見ないことにしています。
こうして最近は、純粋な推理小説にこだわらず、推理と冒険、怪奇が入り混じったエンターテインメント小説を楽しむようになっています。
結局、こうした作品群にすっかりはまってしまった状態です。
ただし、今でも本格的な怪談は避けています。
例えば小泉八雲のような作家は怖そうなので、まだ読んだことがありません。
そんな中で全く怪奇ものでない青柳碧人の「浜村渚の計算ノート」シリーズです。
これは他に例を見ない珍しい作品で、推理小説の形式を取りながら数学の面白さを伝える内容になっています。
数式や数学的な考え方が謎の中心にあって、丁寧に説明されていて、読んでいて非常に楽しいです。
作者自身も「数学の楽しさを多くの人に知ってもらいたい」という思いで書いたらしいです。
確かにこのシリーズを読むと数学が楽しいものだと感じられます。
学生時代にこの小説に出会っていれば、あるいは数学の先生がこういう教え方をしてくれていれば、もっと数学を好きになれたかもしれません。
僕にとって数学はただ苦痛なだけで役に立たない科目のように思えていたので、余計にそう感じます。
もちろん、アガサ・クリスティをはじめとする本格的な推理小説も合間に読んでいます。本来はそちらの方が読みたいはずなのですが、エンターテインメント小説は軽く読めるので、ついついそちらに流れてしまうことが多いのかもしれません。
