ヒトクローン | 爆小問題の「ヘロイン日記」

ヒトクローン

中田 韓国の科学者チームが、ヒトクローン胚から、当人と遺伝的に同一なヒト細胞(ES細胞)を作ることに成功したという記事だけど、これはヒトクローニング をめぐる論争に変化をもたらす可能性もあるらしいね。

大田 ようは人間のクローンは、倫理的にアリかナシかってことだろ?

中田 いや、それ以前にこのヒトクローン胚ってのは、細胞分裂をはじめた受精卵を壊して作られるんだよ。

大田 つまり、今後赤ちゃんになりうる受精卵を壊してしまうことは、倫理的にいかがなものかと。

中田 ま、そういうことだね。

大田 大丈夫だよ。世の中には“できちゃった結婚”だってあるんだし。

中田 ぜんぜん理由になってねーだろ!

大田 その生まれることのできなかった赤ちゃんも、いつかきっと他の生命として生まれ変わることができるさ。例えばクローン人間として。

中田 ややこしすぎて突っ込めねーよ!

大田 遅かれ早かれ、クローン人間は誕生すると思うね、俺は。

中田 一度発見されてしまった技術を、もとからなかったものとすることは難しいかもね。

大田 問題はそのクローン人間たちが今後、世の中でどう扱われるかってことだよ。

中田 確かに、いろんな問題が生じるんだろうな。

大田 「やーいやーい、お前のかーちゃん、クローン!」なんて言う小学生もぜったい出てくるぜ。

中田 まあ、わからなくもないな。

大田 「なんてこと言うんだ、タケシ! ヨシノブに謝れ!」 「嫌だよ先生! だってクローン人間は本当の人間じゃないって、このあいだテレビでも言ってたもん!」

中田 なんだよ、そのひとり芝居は!

大田 「そんなことはないぞ、タケシ。ほら先生だって・・・」 そう言って先生はバリバリと顔の皮を剥ぎはじめた。

中田 ワケわかんねーよ!

大田 剥ぎ取られた先生の顔の下に、金属でできたもうひとつの顔が現れる。息を呑む生徒たち。 「コレデ分カッタナ、タケシ。先生ハ人間デモナイ、ロボットダッタンダ」 「せ、先生! 僕らをだましたんだね!」 「スマナカッタ、タケシ・・・」

中田 クローン、関係ねーし!

大田 3年B組金属先生。

中田 うるせーよ!

大田 そうなると、クローンって言葉自体が差別用語になっちゃうかもしれないな。

中田 ううん、どうなんだろうね。

大田 いちいちク○ーンとか書かなきゃいけないんだぜ。

中田 知らねーよ、そんなこと!

大田 あと、クローンが家族にいた場合の家族構成もややこしいよな。

中田 どういうこと?

大田 父、母、姉、自分、弟、自分。

中田 ありえねー!


著者: 手塚 治虫
タイトル: 火の鳥 9 異形編・生命編 (9)

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