先日ご紹介した「5つの自戒」とは
作家・講師である石川洋先生の言葉です。
その中に
『つらいことが多いのは、感謝を知らないからだ』
という言葉がありますが、この言葉の背景には
以下のようなことがあったそうです。
<NHK教育テレビ「心の時代」より>
私は一燈園に入らして頂いて最初の頃、
米原へ干拓のお手伝いに行きなさいと云う事で
田起こしから、田植えまでご奉仕(お手伝い)
に行きました。
田起こしから田植えまでの間、
開拓地なもんでまだ土がなれておりませんので、
腰までドブンとつかる所があるんですね。
地元の人はバカ貝と云っていますが大きな貝の
殻で足をザクッと切ったり、凍傷になったり、
いろいろしたのですが。傷だらけになって、
豆を作ったりして帰ってきたんです。
私が直接一燈園に入るご縁を下さったのは、
末広木魚さんと云う都新聞の記者をしておられた
お方で、なかなかの粋人で、苦労人で、
ちよっと怖い人で、何時も避けていたのですが
ご挨拶にいかなければならないものですから、
干拓から帰ってきて、豆だらけで大変だった
事を一気に喋ったのですね。
そしたら「そりゃあ大変だったな,手を見せなさい」
と云われたので豆だらけの手を見せたのです。
そしたら木魚さんは「その豆食えんな」仰いました。
当たり前のことですが、そして一緒に昼ご飯を
ごちそうになって、ぽつんと仰ったことは
「おまえなぁ、大事なことだから、やっぱりけじめ
だから言っておこう」と仰ったことは、
あんたが苦労して帰ってきたのも分るけれども
「お前それしか云えんのか」
「それしか分らないのか」
本当にそれしか分らなかったですよ。そしたら
「そうじゃないだろう、始めてお百姓さんの
真似ごとをして、米を作ると云うことが
どんなに大変な事か始めてお百姓さんの苦労が
わかりました。一粒のお米にも感謝をしないと
いけないのですね。」何故そう云えない、
それが分らなかったら修行でもなんでもない。
とんでもない道を間違えるぞ」と云われたのです。
『つらいことが多いのは、感謝を知らないからだ』
その背景にはそんな事があったのですね。