宇部市厚東の持世寺温泉を開発したのは杉野家(持世寺温泉で「杉野湯」を経営)初代の人で、二代日の九之丞が温泉を公開したといわれている。

 

 さて、この初代の人が、ある日、二俣瀬の上水和の田んぼから馬を引いて帰って来ると、盛装した女があらわれて、馬に乗せてくれと頼んだ。彼は、さてこんな所にこんな女があらわれるとは、きっと狐に間違いないと、頼まれた通りに馬に乗せてやるやいなや、縄でしばってしまった。

 

 家へ帰ってみると、女は木の根っこになっていた。彼は家に入ると、「客人があるから火をたいてくれ」といった。燃える火をみて狐は驚き、本性をあらわして謝り、杉野家の近くの竹数の中を掘ると、万病に効く湯が湧き出ると教えた。

 

 狐がいう通りに掘ってみると、まこと湯がふき出してきたという。現在、杉野家の裏山には、この出湯にちなんで石の御神体の「湯権現」が祀られてある。

 

杉乃湯

 

 

裏山は竹藪になっています。

 

ご主人がおられたので話を伺いました。

「狐の伝説は聞いたことない」「その話はウソ」

「権現様なんかない」

 

裏山に続く竹林の中の道を歩くも権現様は・・・見つかりません

 

赤い祠がありますが・・・・違いますよね。

 

こちら上の湯。営業が終って解体中でした。寂しいですね。

 

(2024.04.08 撮影)