徳山市の大津島の北のはずれの海中に干潮時に頭を見せる小さな暗礁がある。これを「親子瀬」と呼んでいる。

 

 昔、この付近で船が難破したとき、親子が息も絶え絶えにこの暗礁に漂着し、目の前の大津島の人々に助けを求めるのに、はじめ親は子を頭の上に差し上げて叫んでいたが、次第に満ちてくる潮に背がたたなくなると、ついには子を踏台にして助けを求めたという。

  しかし、それもむなしくやがて潮にかくれ、親子の姿は見えなくなってしまった。それから大津島では、この岩礁を「親子瀬」と呼ぶようになったといわれている。

 

 大津島には2度渡りました。のんびりした島でした。